綾野剛、松田龍平の珍しく熱いトークに「チャーミング!」
俳優の綾野剛と松田龍平が30日、都内で行われた映画『影裏』(読み:えいり)完成披露試写会に登壇。珍しく熱いトークを繰り広げる松田に、綾野は「最高! チャーミング」と笑みをこぼしていた。この日は大友啓史監督も来場した。
沼田真佑の芥川賞受賞作品を映画化した本作は、岩手に移り住んだ主人公・今野(綾野)が、突然姿を消した同僚で友人の日浅(松田)の行方を追ううちに、彼の意外な顔を知っていくミステリー。
大友監督とは『るろうに剣心』(2012)で組んだ綾野は、久しぶりのオファーを受け、「すごく光栄でした。龍平くんともしっかり共演するのは初めてだったので楽しみがあふれていたのを覚えています」としみじみ。また、約1年半前の撮影を思い返し、「いやぁ、うれしいですね……」とようやく観客のもとに届くことに感激した。
松田もドラマ「ハゲタカ」(2009)以来となる大友監督とのタッグに、「ずっとやりたいと思っていたんですけど、このタイミングでご一緒できたことに意味があると思うし、実りある豊かな撮影でした」と感慨に浸った。
その二人を起用した理由について、大友監督は「まず二人と仕事をしたかったというのがあり、(原作を)読んでいる最中に二人の顔が浮かんできて、それ以外は考えられなくなりました」と話すと、「二人でなかったらやっていないかもしれない」とも。さらに、「キャスティングした時点で、半分はこの二人のドキュメンタリーを撮ろうと思っていた。二人のやり取りを逃さず撮れば何かが生まれると思っていた」と全幅の信頼を寄せていたことを打ち明けた。
そんな大友監督の言葉に、綾野は「うれしいですね」と顔をほころばせるが、松田はニヤニヤするばかりで、綾野は「ちゃんとして~」と懇願して会場の笑いを誘った。
普段から口数が少ない松田だが、この日は食べ物トークでボルテージが上がり、「冷麺は(ロケ地の岩手県・盛岡で)一日一食食べていました」と明かすと、「冷麺に入っているスイカは本当においしい」と実感を込めてコメント。タイトルに絡めた「最近の影裏な話」としては、スーパーでパックに入ったイチゴを購入し、家でお皿に移し替えたところ、パック下部のイチゴが「小さな野イチゴみたいなのばっかりで、ちょっとショックを受けた」と悲しい体験を告白。加えて、「話には続きがあって、小さいイチゴの方が美味しかった」ときっちりオチをつけると会場からは拍手が沸き起こり、綾野も「最高! 一見、朴訥としていてつかみどころがない印象ですけど、とてもチャーミングな人」と笑みをこぼしていた。(取材:錦怜那)
『影裏』は2月14日より全国公開