山田孝之、妻の偉大さ再認識『ステップ』シングルファーザー役で
1月31日は愛妻の日。重松清の小説を映画化した『ステップ』で自身初のシングルファーザー役に挑んだ山田孝之は、撮影を通じて妻の偉大さを再認識したそうだ。
本作は結婚3年目、30歳という若さで突然妻を亡くした主人公・健一(山田)が男手一つで育児と向き合い、娘の美紀とともに成長していく10年間を切り取った感動作。17日に予告編が公開されると「予告編だけで泣ける」など多数のコメントが寄せられ、反響を呼んだ。共演は伊藤沙莉、川栄李奈、広末涼子、余貴美子、國村隼らで、『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』などの飯塚健が監督・脚本を担当している。
出勤前の保育園の送り迎え、食事作り、絵本の読み聞かせ、寝かしつけ、洗濯機を回しながらのうたた寝。育児と仕事の両立に奮闘し、疲れ果て、たまに落ち込んでしまう健一を山田が自然体で演じている。健一は必死に過ごした一日の終わりに妻の遺影に向かって娘の様子を報告し、我が子の子育てを共有する愛妻家だ。父と娘の単純な奮闘記ではなく、亡き妻と一緒に家族のあり方を模索する健一の姿が涙を誘う。
日本屈指の演技の振り幅を持ち、時にはエキセントリックな役もこなす山田が今回は等身大のキャラクターを演じた。「役者としてその芝居をしてみたいというのは、その人の人生を歩んでみたいということ」と本作の撮影現場で話していた山田は「自分が娘を育てたらどうなるだろう、妻を失ったらどうするだろうということを、健一として経験してみたかったんです」と役への思いを語る。
そして「本当はこんなこと言いたくないんですけど……」と前置きをしてから「正直、妻には感謝しましたね。妻の存在は偉大だなと思いました」と自身の妻への思いを再認識した作品になった様子。「この映画を撮影しながら、家族や妻や子どもが元気でいてくれるというだけで、本当に幸せでありがたいことなんだなと思いました。まあそんなことはすぐ忘れて、僕はまた面白い仕事に没頭してしまうんでしょうけどね(笑)」と笑っている。(編集部・海江田宗)
映画『ステップ』は4月3日より全国公開