主演男優賞は『ジョーカー』!ホアキン・フェニックスに初オスカー
第92回アカデミー賞
現地時間9日、第92回アカデミー賞授賞式が米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、映画『ジョーカー』のホアキン・フェニックス(45)が主演男優賞に選ばれた。4度目のオスカーノミネートにして初受賞となった。
コメディアンを夢見る孤独な男が、狂気の犯罪者“ジョーカー”となっていくさまを追った本作でホアキンは、社会から疎外され、行き場のない感情をため込んでいく主人公アーサー・フレックを熱演。徹底した減量により、文字通り骨と皮だけになった、驚異的な肉体改造も話題を呼び、前評判通りオスカー像を手にした。
壇上でホアキンは「本当に感謝しています。自分がほかの候補よりも優れているとは思っていません。ほかの皆さんのことも。みんな映画が最高の表現方法であり、映画に対する愛情を持っている人々なんです。素晴らしい映画人生をおくることができました」と感謝。さらに「私にとって最高と言えるのは、我々は声なき者のために声を上げることができる機会があるということです」と続けると、男女平等や人種差別、先住民族の人権、動物の権利など、現代社会が抱えるさまざまな問題に言及し「お互いに助け合う。みんながお互いに教え合い、協力をする。それが人類の最高の要素だと思うんです」と主張。そして、1993年に亡くなった兄、リヴァー・フェニックスさんの存在に触れ「17歳の時に私の兄が次のように書きました。愛情と平和の心をもって人を助けましょうと。本当にありがとう」と締めくくり、盛大な拍手を受けた。
『グラディエーター』(2000)で助演男優賞にノミネートされて以来、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005)、『ザ・マスター』(2012)そして『ジョーカー』(いずれも主演男優賞)と、4度の候補入り。誰もが演技派として実力を認めるホアキンだが、『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010)ではウソの引退宣言でハリウッド中を煙に巻くなど、業界に染まらない異端児としても有名。今回も、やはり主演男優賞を受賞したゴールデン・グローブ賞のスピーチで放送禁止用語を連発し、その数日後に気候変動に関するデモ活動中に逮捕される騒動があり、受賞を危ぶむ向きもあったが、見事、前評判通りにオスカーを手にした。(編集部・入倉功一)
第92回アカデミー賞授賞式は、2月10日(月)午前8時30分よりWOWOWプライムにて放送中(夜9時よりリピート放送)