『若草物語』オスカー受賞コスチュームに見る4姉妹の個性
第92回アカデミー賞で衣装デザイン賞に輝いた、映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』から、美しい衣装の数々を映し出した場面写真が公開された。衣装担当ジャクリーン・デュランは、コスチューム衣装に反映された4姉妹の個性について語っている。
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150年以上にわたって愛されるルイザ・メイ・オルコットの古典小説を原作に、父親を南北戦争にとられながら、母親と共に懸命に生きる4姉妹を描く本作。主人公の次女ジョー役にシアーシャ・ローナン、長女メグ役にエマ・ワトソン、三女ベス役にエリザ・スカンレン、四女エイミー役にフローレンス・ピューと、次代を担う女優陣が、19世紀後半のアメリカで、それぞれの人生を生きる姉妹を演じている。
姉妹たちの衣装についてジャクリーンは「それぞれのルックスが何らかの声明であることが大事だと感じたの。彼女たちはそれぞれ世界の見方があって、それはみんな違うけれども平等で大事な役割を持っている」と証言。4姉妹たちが、“完全に自分らしくいられる”ための個性を衣装によって表現したという。
例えば、おてんばで当時の男子のような自由を求めるジョー(シアーシャ)は「いつも強い色を着ていて、赤ではない時は、深いインディゴブルーや何か目立つ色を着ている」といった具合。さらに「メグ(エマ)はロマンチックで、演劇とドレスを愛していて、中世時代のおとぎ話も好きだから、当時流行っていたゴシックのリバイバルスタイルにした」、「ベス(エリザ)は常に家にいて、 姉妹の中で一番子供っぽい。彼女は成長するチャンスや外の世界を見るチャンスがなかったから、柔らかくて優しいピンクをずっと着ている」、「姉妹たちの中で、絶対的にエイミー(フローレンス)が一番おしゃれ。そして若さと決断力が見える衣装」と明かす。
ノミネート経験は数知れず『アンナ・カレーニナ』(2012)でもオスカーを手にしているジャクリーンだが、グレタ・ガーウィグ監督の要求は「触り心地が想像できて、毎日着る洋服のような感覚で、“衣裳”ではないもの。そういったことでモダンな感じが出して欲しい」という難しいもの。そのリクエストに応えるため、同じ生地を所々で使って姉妹の服を縫ったり、過去の描写で使った生地を現在の衣装にも使うことで、姉妹のおさがり感や、倹約生活を反映した。「ジョーは燃えるような赤、メグはロマンチックなライラックと緑のグラデーション、ベスは優しいピンク、エイミーはフレッシュなトーンの水色」と各人を象徴するカラーパレットにも注目だ。
本作には4姉妹キャストのほか、彼女たちの母役でローラ・ダーン、ジョーと関係を深めるローリー役でティモシー・シャラメ、マーチ叔母役でメリル・ストリープが出演。(編集部・入倉功一)
映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は3月27日より全国公開