『風の電話』ベルリン映画祭ジェネレーション部門でスペシャルメンション!
第70回ベルリン国際映画祭
『ライオンは今夜死ぬ』などの諏訪敦彦監督がメガホンを取り、ファッションモデル、女優のモトーラ世理奈が主演した映画『風の電話』が28日(現地時間)、第70回ベルリン国際映画祭のジェネレーション(14plus)部門のスペシャル・メンション(特別表彰)に輝いた。
ジェネレーション(14plus)部門は世界三大映画祭と称されるベルリン国際映画祭に設置されている、14歳以上を対象にした若者が審査員を務めるコンペティション部門。授賞式には脚本を担当した狗飼恭子が出席し、諏訪監督とモトーラのコメントを代読した。以下は2人のコメント全文。
<諏訪敦彦監督>
東京で受賞の知らせを聞き、とても感動しています。この日本のささやかな祈りを受け止めてくださった審査員の皆さんに感謝します。
「風の電話」は現実に存在しています。きっと今日も、傷ついた誰かが訪れ、亡くなった大切な人に話しかけていることでしょう。我々を信頼し、この映画の制作を支援していただいた「風の電話」の設置者である佐々木格(ささきいたる)さんに感謝を送りたいと思います。
そして、何よりも、このベルリンの地での初めての上映後、鳴り止まぬ拍手と励ましの声で、まるで家族のようにこの映画が暖かく迎えられた瞬間を私は忘れることができません。映画は観客のものです。ハルとともに旅をしてくれたベルリンの人たち、世界中の傷ついた若者たちに、感謝とともにこの賞をお送りしたいと思います。
<モトーラ世理奈>
嬉しいです。
すごく嬉しいです。
諏訪監督に出逢えて、私にとって素敵なことがたくさんです。諏訪監督、ありがとうございます。そして、おめでとうございます。
ベルリン映画祭のプレミア上映で、観客の皆さんが、風の電話に流れている風を、しっかりと感じてくれたんだと実感してとても感動しました。
私が演じた、ハルにこれからも世界中の人々の、心の中で旅をし続けてほしいと願っています。
『風の電話』は東日本大震災で被災した岩手県大槌町に設置された、今は亡き大切な人と想いをつなぐ電話「風の電話」を題材に描いたロードムービー。震災で家族を失い心に傷をかかえた高校生のハルが様々な人と接し、「風の電話」を訪れる。西島秀俊、西田敏行、三浦友和らが共演している。日本では1月24日に初日を迎え、アップリンク吉祥寺、川越スカラ座で上映中。(編集部・海江田宗)