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大林宣彦監督が82歳で死去 尾道三部作『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』など

ご冥福をお祈りいたします - 大林宣彦監督
ご冥福をお祈りいたします - 大林宣彦監督 - (C) 2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC

 『転校生』『時をかける少女』などで知られる大林宣彦監督が、肺がんのため東京都世田谷区の自宅で4月10日19時23分に死去した。82歳だった。亡くなった4月10日は最新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』の公開予定日だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で公開延期となっていた。

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 葬儀・告別式は家族葬(密葬)で執り行われ、後日お別れの会が行われる予定。喪主は妻で映画プロデューサーの大林恭子氏が務める。

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 大林監督は1938年、広島県尾道市生まれ。1977年に『HOUSE ハウス』で商業映画に進出し、故郷の尾道を舞台にした『転校生』(1982)、『時をかける少女』(1983)、『さびしんぼう』(1985)は“尾道三部作”として人気を集めた。

 2010年代には戦争をテーマにした『この空の花 長岡花火物語』(2011)、『野のなななのか』(2014)、『花筐/HANAGATAMI』(2017)の“大林的戦争三部作”を発表。2016年8月には肺がんで余命宣告を受けたが、病と闘いながら完成させた『花筐』は第72回毎日映画コンクール日本映画大賞、第91回キネマ旬報ベスト・テン日本映画ベスト・テン第2位に選ばれ、監督賞を受賞。監督個人としては、2004年に春の紫綬褒章、2009年に秋の旭日小綬章受章、2019年に文化功労者に選ばれている。

海辺の映画館
最新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』 - (C) 2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC

 近年は平和への思いを込めた作品を世に送り出しており、2017年12月に行われた記者会見では、戦争を描く際にあえて虚構の世界として描くことを意識していると明かし、「虚構というのは嘘。この世界で嘘といえばそれは“平和”なんです。映像は嘘のような美しさで作ってあります。嘘も作り続ければ本当の世界になるんじゃないかという願いを込めて」と語っていた。

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 監督の集大成でもある最新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』は、約20年ぶりに故郷・尾道をメインに撮影した作品で、尾道の海辺にある唯一の映画館・瀬戸内キネマの閉館日に日本の戦争映画大特集を観ていた3人の若者がスクリーンの世界にタイムリープし、歴史上では戦争の犠牲となった移動劇団・桜隊を救おうと奔走する姿を描き出す。4月10日に公開予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で公開が延期に。近日公開を予定している。(編集部・吉田唯)

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