あだち充の漫画・MIXが連載休止「考える時間を」
月刊漫画雑誌「ゲッサン」(小学館)で連載されている、あだち充の野球漫画「MIX」が、6月号からしばらく連載を休載すると作者の公式Twitterや「ゲッサン」の公式サイトを通じて発表した。
読者に向けたメッセージであだちは、1970年代の「ナイン」から「タッチ」「H2」「クロスゲーム」と、時代を彩ってきた代表作を挙げると「どれもこれも胸張って『野球漫画!』とは言いづらい作品達ではありますが、ま、何にせよ漫画家あだち充にとって一番の幸運はこの日本には甲子園(高校野球)があったという事なのです」と感謝。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、選抜大会に続き、夏の甲子園大会も中止がささやかれるなか、野球を含むほぼ全てのスポーツが「日常から消えてしまいました」と現状への無念をにじませた。
さらに「ライブ、中継を楽しめないぼく達も残念ですが選手の無念さを思うと本当にやり切れません」と続けたあだち。休載にあたり「人が集まる事を許さないこのやっかいな敵とどう付き合って行くのか? 先の見えないこの状況で大歓声、大観衆の野球漫画を描き続けていいのか? 等々…アナログ作画作業も含めて じたばた考える時間をいただければと思っております」と読者に呼びかけ、休止中の活動については、あらためて発表するとしている。
「MIX」は、あだちの代表作「タッチ」の舞台となった高校・明青学園の約30年後を舞台に、親の再婚で義兄弟となった同校野球部のバッテリー、立花投馬と走一郎らが甲子園出場を目指す姿を描いた青春ストーリー。(編集部・入倉功一)