濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎が三人一役 田中裕子主演映画でヒロインの心の声に
ベテラン女優・田中裕子の約15年ぶりの主演映画『おらおらでひとりいぐも』(秋公開)の追加キャストが発表され、東出昌大、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎が出演することが22日、明らかになった。東出はヒロインの数年前に亡くなった夫にふんし、ヒロインの寂しさを表す心の声を濱田、青木、宮藤が担当する。その他キャストに田畑智子、黒田大輔、山中崇、岡山天音、三浦透子、六角精児、大方斐紗子、鷲尾真知子ら。
本作は、芥川賞作家・若竹千佐子のベストセラーの小説に基づき、夫に先立たれた75歳のヒロイン・桃子の新たな生活を描く物語で、『南極料理人』『横道世之介』『モリのいる場所』などの沖田修一が監督。桃子の若かりし日を蒼井優が演じる。夫に先立たれた後、ひとり家でお茶をすすり図書館で借りた古代生物や地球の歴史についての本を読む生活を送る中、突如心の声が故郷の言葉で湧きあがり……。
併せて公開されたポスタービジュアルは、桃子の現在、過去、心の声を一枚絵にしたもので、茶の間の中央に現在の桃子(田中)、背後に若かりし日の桃子(田中)と、心の声(濱田、青木、宮藤)の姿が。タイトルの周囲には、「POPEYE」「BRUTUS」の表紙などで活躍するイラストレーター・高橋将貴によるマンモスや仙人、アノマロカリス(古生物)のイラストがちりばめられている。
東出、濱田、青木、宮藤のコメントは以下の通り。(編集部・石井百合子)
東出昌大:周造役(桃子さんの夫)
沖田監督の映画が大好きで、いつかご一緒したいと思っていました。素晴らしい台本でしたし、田中裕子さんが主演されると伺って一も二も無く飛びついた次第です。オファーをいただけて、すごくうれしかったです。撮影現場では、濃厚で暖かな時間を過ごさせて頂きました。冷え切った桃子さんの手を取り、少しでも暖める事が出来た事に、至上の喜びを感じていました。
濱田岳:寂しさ1役
映画作りへの愛が常に溢れ出ている沖田監督のもと、尊敬する田中裕子さんのお芝居を間近で見れ、そして台詞のやり取りをすることができ、宮藤さん青木さんと心強いお二人のお力で、本当に幸せな時間を過ごす事が出来ました。沖田監督の優しいお人柄が溢れる、素敵な作品になっています。ぜひお楽しみください。
青木崇高:寂しさ2役
二度目の沖田組でしたが、衣装合わせから温かい現場でした。田中さん、濱田くん、宮藤さんと歌ったり踊ったり騒いでたら撮影が終わってました。本当にそんな感じでした。毎日、素敵なみなさんと居られてとても楽しかったです。ありがとうございました。
宮藤官九郎:寂しさ3役
本当に楽しかったです。映画に出た、役を演じたというより、濱田岳くんと青木崇高くんと僕とで、沖田監督の世界の中で遊ばせてもらったという記憶しかありません。田中裕子さんの懐の深さと、決して揺るがない芯の強さが現場を支えていたように思います。心の声を演じる蒼井優さんが、台本片手にずっとセットの隅っこでうずくまっている姿にも涙が出そうになりました。そういうムードが、映像に焼きついていると信じて、今はただただ完成を心待ちにしています。