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長澤まさみ、毒親を体当たりで熱演!汚れ役にファン衝撃

『MOTHER マザー』より。息子・周平(奥平大兼)と母・秋子(長澤まさみ)
『MOTHER マザー』より。息子・周平(奥平大兼)と母・秋子(長澤まさみ) - (C) 2020「MOTHER」製作委員会

 近年はドラマ「コンフィデンスマンJP」の詐欺師・ダー子があたり役となった長澤まさみ(33)だが、週末に公開された『MOTHER マザー』では息子を追い詰めるシングルマザーにふんし、その180度異なる演技で観客を驚かせている。

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 本作は、『新聞記者』などを手掛けた河村光庸プロデューサーが、実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得て、『日日是好日』などの大森立嗣監督とタッグを組んでフィクションとして映画化。長澤は男たちとゆきずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきたシングルマザーの秋子を演じている。

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 公開後、ネット上では「重い」「しんどい」「最悪な母親」といった感想が寄せられながらも高評価を受けている本作。中でも、共感しづらいキャラクターに挑んだ長澤の演技が注目を浴びている。演じる秋子は、誰かに寄りかかってしか生きられない女性だ。地道に働くことをせず、嘘を重ねて人に寄生し続けることから家族からも見放され、息子に依存するようになり、その結果とりかえしのつかない悲劇を生むことになる。

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周平(奥平)、妹・冬華(浅田芭路)、秋子

 今年、女優デビューから20年となる長澤。昨年公開された映画では、『キングダム』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、『コンフィデンスマンJP ロマンス編』でブルーリボン賞主演女優賞、 『マスカレード・ホテル』『コンフィデンスマンJP ロマンス編』の演技で報知映画賞主演女優賞を受賞。複数の作品で賞に輝き、飛躍の年となった。長澤は、『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)が空前のヒットを記録したのち、あだち充の漫画を実写化した『タッチ』(2005)でヒロイン・浅倉南に抜擢され、以降ドラマ、映画と第一線で活躍。人気深夜ドラマの劇場版『モテキ』(2011)では主人公を翻弄する奔放な美女にふんし、セクシーな魅力も開花。国民的女優となった長澤だが、そんな彼女にとってある意味憎まれ役に徹する『MOTHER マザー』はリスキーでもあり、相当な覚悟が必要だったはずだ。

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 長澤は「周平しかいないんだからね……」と息子を呪縛する秋子というキャラクターについて、以下のように述べている。「小さい子供にとっては親が自分の世界のすべてだからこそ、その関係性の中で母親が子供に何をしたかということが、この物語の芯だとしたら、母親に同情する余地はない方がいいと思いました。だから演じる上では秋子の思いというものをあまり意識しないようにしていましたし、それよりもその瞬間の感情による行動の積み重ねで、物事が悪い方向に進んでいったのではないかと解釈しました」

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ラブホテルの従業員(仲野太賀)と秋子

 「母親に同情する余地はない方がいい」という言葉通り、劇中で秋子が周平の頬を打つシーンでは手加減なしで臨み、息子役の新人・奥平大兼を驚かせた。息子を所有物のように扱い、常にヒステリックにその名を呼ぶ姿には「同情」の余地がなく、ラストシーンでは実に複雑な表情を見せる。観る者に「つらい」と爪痕を残す本作は、長澤のキャリアにおいて節目となる作品になりそうだ。(編集部・石井百合子)

長澤まさみ&大森立嗣監督にインタビュー!強烈な演技の裏側を語る 映画『MOTHER マザー』 » 動画の詳細
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