村上虹郎が見た小泉今日子『ソワレ』への熱量!自ら運転で村上を現場へ
俳優の村上虹郎が29日、都内で行われた主演映画『ソワレ』完成報告会に出席し、難しかったという役作りの様子や、本作のプロデュースを務める小泉今日子(アソシエイトプロデューサー)、豊原功補(プロデューサー)の撮影現場での熱い様子などを語った。この日は、村上のほか、ダブル主演の芋生悠、外山文治監督、豊原プロデューサーも登壇した。
本作は、和歌山を舞台に、高齢者施設で出会った若い男女が、ある事件をきっかけに逃避行を繰り広げる物語。外山監督から協力を求められた豊原が、「(役者が)適当な感じで(映画プロデュースを)やっていると思われたくない。どうせやるなら本腰を入れて、映画制作に乗り込もう」と小泉とともに設立した「新世界合同会社」初のプロデュース作品でもある。
俳優を目指して上京するも結果が出ず、オレオレ詐欺に加担して食い扶持を稼いでいる翔太役の村上は、役作りに苦労したそうで、「これまで演じてきたなかでも結構難しい役で、なかなか定まらなかった。彼は人間形成ができていないので、理解しようとしても肩透かしを食らうような……」と回顧。それでも、外山監督による「ドキュメンタリーじゃないけど生っぽい撮影」によって気づくこともあり、できあがった翔太役に自信をのぞかせた。
100人以上が参加したオーディションを経て抜てきされた芋生は、父親から暴力を受け、心に深い傷を負ったタカラを演じるにあたり「覚悟を決めなければいけないと思った」としみじみ。辛い人生を生きながらも美しい心を持つタカラに寄り添い、撮影に挑んでいたことを明かした。
二人に負けず劣らず、本作への熱量が高かった小泉と豊原。村上は、「参加態度がすごかったですよね」と口を開くと自分だけが早朝5時半に移動しなければいけなかったとき、「キツイな……と思いながらホテルの玄関に行くと、小泉さんが車をつけて、助手席の扉を開けて『おはようございます。乗って!』と専用ドライバーみたいな状態で待っていてくださった」と当時の様子を紹介。別の日には豊川がドライバーを務めたほか、車両止めまでしてくれたそうで、村上は「現場では僕らよりイキイキされている。少年のような目をしてやってくださっていた」と振り返った。
そんな村上の話に、豊川は「潤沢な予算でやっているわけではないので、我々も働かないと」と照れくさそうに話していた。(取材・錦怜那)
映画『ソワレ』は8月28日公開