吉永小百合、初の医師役に「もっと勉強しないと」
女優の吉永小百合が11日、東映東京撮影所で行われた映画『いのちの停車場』(2021年全国公開)の撮影現場会見に出席し、初の医師役に喜びの表情を見せた。この日は松坂桃李、広瀬すず、みなみらんぼう、西田敏行、成島出監督も来場した。
南杏子の同名小説を基にした本作は、在宅医療を通して患者と向き合う「まほろば診療所」で勤務することになった元救命救急医・咲和子(吉永)の姿を描くヒューマンドラマ。「白石咲和子、通称ドクターSでございます」と茶目っ気たっぷりにあいさつした吉永は、「(コロナ禍で)クランクインできるかドキドキしながら待っていたんですが、無事クランクインして。撮影は10月の半ばまで続きます。スタッフもキャストもパワー全開でやっています。どうか温かく見守っていただければ」と意気込んだ。
122本目の出演作となる本作で、初めて医師役に挑む吉永。「実は7、8年前だったと思いますが、成島監督と一緒にやろうという話になった時に、わたしは監督の『孤高のメス』が好きだったので、医療ものはどうでしょうかとお話したんです。ですが、なかなかいい題材がなくて、(『ふしぎな岬の物語』で)カフェの主になりました」と振り返り、「だから今回は(医師役で)うれしいですし、メスとかいろんなものを持つのが初めてなので、もっと勉強しないとドクターに見えないんじゃないかと思い、気を引き締めてやっていこうと思っています」と決意を語った。
咲和子が務める診療所の運転手・聖二を演じる松坂は、吉永と本作で初共演を果たす。「大変緊張しております」と切り出した松坂は、「いつか吉永さんとご一緒したいと思っておりました。だから一緒にお芝居ができるのがうれしくて。吉永さんは現場ではどんな風にお芝居をして、役を作られているのか。興味があって、日々勉強させていただいております」と充実感をにじませる。同じく吉永と初共演の広瀬も「吉永さんとご一緒できるとは思っていなかったので、光栄だなというのが決まった時の感想でした。現場でも吉永さんは丁寧で優しくて。それがお芝居にもにじみでていて」とコメント。劇中で演じる訪問看護師・星野麻世はズバズバものを言う役柄とのことだが、広瀬は「すごくビビりながらやっています」と本音を明かしていた。
また、「まほろば診療所」の三代目院長・仙川徹役の西田は「吉永さんは、役者を始めた頃からの、学生の頃からの憧れのマドンナ。『天国の駅 HEAVEN STATION』(1984)、『天国の大罪』(1992)という二つの映画でご一緒しましたが、いつも吉永さんといると心は天国でした。今回も天国です」と夢見心地な表情を見せ、会場を沸かせた。(取材・文:壬生智裕)