『マッドマックス』次回作はフュリオサのスピンオフ?続編はどうなる
12日にフジテレビ系・土曜プレミアムで地上波初放送された、トム・ハーディ主演の映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)。芸術に昇華された限界突破のアクションで世界中の映画ファンを熱狂させた同作は、公開から5年が経った今も、続編が待望されている。
シリーズの続編についてミラー監督は、以前から『マッドマックス』にまつわる2つの物語と、シャーリーズ・セロンが演じた女戦士フュリオサのスピンオフを用意していると各方面で明かしている。続編企画の1本は『マッドマックス:ザ・ウェイストランド(原題) / Mad Max: The Wasteland』と呼ばれており、ミラー監督は2015年の時点で脚本も完成していると語っていた。
しかし2018年、ミラー監督の製作会社と米ワーナー・ブラザースが、映画の最終的な製作費と、それにまつわるボーナスの支払いをめぐって対立していることが判明。両者の争いが訴訟にまで発展したことを、SMH.com.au(シドニー・モーニング・ヘラルド) が報じた。
スタジオとの対立により、製作は暗礁に乗り上げたと思われたが、昨年ミラー監督は、IndieWireのインタビュー内で「ワーナーとの問題は解決していないが、製作されることははっきりしている」と明言。訴訟はあってもスタジオ上層部と敵対していたわけではなく、「状況は非常にポジティブになっている」と語った。
そして今年、ミラー監督は、『マッドマックス』の新作として、フュリオサの前日譚(たん)を予定していることを、 The New York Times にインタビューで明かした。セロンの起用については、CGで俳優を若返らせる技術が「まだ十分な域には達していない」というミラー監督の意向で断念。すでに『スプリット』『ウィッチ』などに出演した女優アニャ・テイラー=ジョイら若手女優がオーデションに参加したとVarietyが報じている。
この企画については、『怒りのデス・ロード』でアカデミー美術賞を受賞したプロダクションデザイナーのコリン・ギブソンが、前回作った改造車について「スクリーンでは88台映っていたが、合計で135台作った」と明かし、次があれば、さらに規模は大きくなると証言。撮影監督のジョン・シールも続投するといい、かなり実現に期待がもてる状況。ただ、ミラー監督は、イドリス・エルバとティルダ・スウィントンが共演する新作『スリー・サウザンド・イヤーズ・ロンギング(原題) / Three Thousand Years of Longing』の製作が、新型コロナウイルスの影響で延期されており、やはり、時間が必要になりそうだ。(編集部・入倉功一)