佐藤大樹は向上心ハンパない!『小説の神様』『HiGH&LOW』久保監督が語る魅力
映画『小説の神様 君としか描けない物語』(公開中)のメガホンを取った久保茂昭監督に、主演を務めたEXILE・FANTASTICS from EXILE TRIBE の佐藤大樹の俳優としての魅力を聞いた。『HiGH&LOW』シリーズでも佐藤と時間を共にしてきた久保監督から見る、“俳優”佐藤大樹とは?
作家・相沢沙呼の小説をもとに、対照的な2人の高校生小説家が共作によってベストセラー作品を生み出そうと励む姿を描く本作。佐藤は橋本環奈と共に主演を務め、ヒット作に恵まれない高校生作家の千谷一也(ちたにいちや)を演じた。一也はナイーブで消極的。橋本ふんするクラスの人気者で売れっ子小説家の小余綾詩凪(こゆるぎしいな)という対照的な人物との関わり合いの中で揺れ動く感情を、佐藤は繊細に表現している。
久保監督は本作に取り組むにあたり「EXILEデビューから知っている大樹の今までにない芝居を期待していました」と佐藤の新しい引き出しを求めていたという。減量やパソコンを扱う練習など、事前に徹底した準備をした佐藤が撮影現場で一也を演じる姿を実際に目にした際は感動したと明かす。
「一つ間違えば嫌われてしまう人物を感情移入できる愛すべき一也にしてくれたのは彼が最初から持っているポテンシャルだと感じました」
久保監督、佐藤の双方にとって本作は「新しい挑戦となる物語」と捉えており、役づくりは念入りに行われた。「特に繊細さをお願いしたのが、笑い方と人との距離感の変化です」と久保監督は語る。
「大樹演じる一也の心情で、物語は映像の色味や音楽を含め展開していきます。誰と出会い、どんな変化をしていくのか1シーン1シーン大樹と話して作っていきました。久保が提案したのは笑い方と詩凪との距離感です。大樹の方からも、詩凪を見る一也の表情に対して『ここで2人の目が合い、笑ってみたい』など2人の表情の変化なども、作品を作っていく中で提案がどんどん出てきました」
佐藤も本作のインタビューで監督とのディスカッションを大切にしていたと話しており、キャラクターと丁寧に向き合い作り上げたことがうかがえる。
EXILE TRIBE を中心にテレビドラマ・配信・映画などさまざまな展開を見せ、根強いファンを持つ『HiGH&LOW』シリーズでも、タッグを組んでいる2人。そちらで佐藤は劇中のチームの1つ「山王連合会」の年少メンバーであるチハル役を務めた。「久保の『HiGH&LOW』での立場は大樹演じるチハルと同じでもまれながら仲間を知り、精一杯生きていくだけでした」と振り返る久保監督。
「右も左もわからない中、ただ突き進まないといけない日々でした。なので『HiGH&LOW』は一番、チハルに感情移入しながら作っていましたので今回も同じ気持ちで挑んでいます」
佐藤の魅力を改めて聞くと「大樹は本当に向上心が半端なく、その気持ちで今の彼が存在していると思います。アーティストとして役者としてMCとして、彼がこれだけ露出しているのはスタッフを魅了する向上心だと思います」と分析。「彼のお芝居は人を巻き込み、物語にテンポをつけていくところが僕にとって魅力です」と明かした。(編集部・小山美咲)