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多部未華子、難解な役に挑んだ心境明かす

多部未華子
多部未華子 - (C) 2020 HIGH BROW CINEMA

 女優の多部未華子が4日、丸の内ピカデリーで行われた映画『空に住む』完成披露舞台あいさつに出席、難解な役柄についても「100%理解する必要はない」と持論を語った。この日は岸井ゆきの美村里江岩田剛典鶴見辰吾永瀬正敏岩下尚史高橋洋青山真治監督も来場した。

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 人気作詞家・小竹正人による初小説を映画化した本作は、孤独を抱えたヒロインが現実と夢のはざまで揺れ動く姿を軸に、彼女を取り巻く人々の葛藤を描き出すドラマ。青山監督にとっては菅田将暉主演の『共喰い』以来、7年ぶりの長編映画となり、10月21日に開幕予定の第25回釜山国際映画祭のアジアの窓部門にも正式出品予定となっている。

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 青山監督との初タッグについて多部は、「今回、初めましてだったんですけど、撮影中もほとんどコミュニケーションをとらなかったので。いまだに監督がどういう方かわからない」と笑いつつも、自身が演じる直実というキャラクターについて「両親を亡くして、あまり感情が表に出ないというか、泣けない女性で。ひと言では説明できない性格の持ち主。とにかく難しいながらも、こういう感じかなと思いながら現場でつかんだという感じですかね」と述懐した。

 一方の青山監督も、本作に参加した俳優陣について「結局のところ、この人のことが全然理解できないな、わからないなといったことを考えながらも、演じるっていうことが好きな人ばっかりなんですね。そういうものを見ていて、僕はしあわせでしたし、それをスクリーンサイズにしてお届けできるのは、映画っていいものですねと言わざるを得ないですよ」とニッコリ笑顔を見せた。

『空に住む』キャスト&監督

 俳優たちが悩みながらも、演技に向き合う姿をいとおしく感じているといった青山監督の言葉に対して「みなさんの話を聞いて、みんなわからないなりにやっていたんだなというのがわかって安心しました。わたしの中でも100%理解できることが全てではなくて、わからないなりにもがき苦しみながら、現場にいる姿勢というか」と切り出した多部は、「人間って100あったら、100全部わかるということではないと思う。そういう現場でも大丈夫だったとおっしゃっていただける監督とご一緒できて良かったなと思いますね」と笑顔を見せた。

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 また、直実の前に突如現れる、日本を代表するスター俳優の時戸森則役を担う岩田について、「岩田さんが演じた時戸は、この映画に出てくる中で、一番ファンタジーで、非現実的な役。演じるのは難しいんじゃないかなと現場で毎日、思っていました」と多部が指摘すると、岩田も「そうですね。最初に脚本を読ませていただいた時からすごく変な人だなと思っていて。セリフも独特な言い回しだし、かなり自分のワールドを持っているスター俳優の役だったので。自分では悩みました」とその意見に同意する。

 スターとして表に出る部分と、自分の素の部分とのギャップという面では共感する部分はあるのかなと頭では考えつつも、「でも脚本を読んで本当にヒドいヤツだなと思ったので、あまり共通する部分があると言いたくない」と笑ってみせる岩田。演じるにあたり「たぶん、さみしいんだろうなと思って演じました。僕はグループをやっているので、仲間はいるんですが、時戸はきっと一人の世界に閉じこもって生きてきたんだろうな、孤独だったんだろうなと思います」と分析してみせた。(取材・文:壬生智裕)

映画『空に住む』は10月23日より全国公開

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