森山未來&勝地涼の絆に観客歓喜 過酷な撮影後の“ご褒美メシ”とは?
第33回東京国際映画祭
森山未來と勝地涼が2日、都内・EX THEATER ROPPONGI で行われた第33回東京国際映画祭での『アンダードッグ』公式上映舞台あいさつに登壇し、ボクシングのファイトシーンの撮影後に食べた“ご褒美メシ”について語った。
『百円の恋』の武正晴監督&脚本家・足立紳のコンビが、約6年ぶりにボクシングを題材にした本作は、10月31日より開催中の同映画祭のオープニング作品に選出。過去のささやかな栄光が忘れられず、ボクシングにしがみつく事しかできない末永晃(森山)、児童養護施設で育った天才若手ボクサーの大村龍太(北村匠海)、テレビ番組の企画で芸能界引退をかけたボクシング試合に臨むお笑い芸人の宮木瞬(勝地)がプライドをかけてリングに上がるさまを描く。
前編131分、後編145分、約4時間半という長尺の作品となる本作。この日の舞台あいさつは前編を鑑賞したばかりで、これから後編を鑑賞する予定の観客の前で行われたが、ステージに登壇した森山が「後半も観られますか?」と観客に呼びかけると大きな拍手が。前編のクライマックスが森山演じる末永と、勝地演じる宮木の迫力のファイトシーンだったことを踏まえて、「勝地さん良かったですよね。最高でしたね」と森山がたたみかけると、さらに大きな拍手が会場に鳴り響いた。
一方の勝地は「自分自身、台本をいただいて共感するものがあって。自分が抱えている悔しさみたいなものを押し込めてやったので、そういう思いが伝わったらと思いました。僕としては後編が泣けるんで、よろしくお願いします」と続けた。
迫力のボクシングシーンについて質問された森山は、「それほど二人でたくさん練習ができるわけではなかったんですが、リングの上でお客さんに囲まれて声援を受けながら、アドレナリンを感じながら。宮木をボコるという」と冗談を織り交ぜつつ、「本当に勝地とは長い付き合いなので、お互いに段取りを確認しながら。ボクシングというのはテンションはあがるけど、そういう時こそ冷静にクールな部分は持ってやらないといけないなので、そういうことを意識しながらコミュニケーションをとりつつやりました」と述懐。勝地も「もちろん未來くんと練習で合わせたりもしましたが、どうしても宮木は(本職がボクサーではないため)やられる(ダメージを受ける)役なので。目を隠しながらガードをしていると何をしているのか分からなくなってしまうんです。だから未來くんに『次なんだっけ』と確認すると、『次は腹にいくから』といった感じで。そこは未來くんへの信頼もあるんですが、しっかりと殴ってくれた」と続けるも、「ただ小さい声で痛いとは伝えていましたけどね」と付け加え、観客を笑わせた。
そしてこの日は、参加できなかった共演者の北村匠海からサプライズで、3人に質問が。武監督には「映画を撮ったきっかけは?」、森山には「表現をしていて気持ちがいいと感じるのはどういう時?」といった質問が寄せられたが、勝地に寄せられた質問は「撮影で減量をした後のご褒美メシは?」というもの。これには「俺だけ質問の内容が浅くない……?」と嘆く勝地の姿に場内は爆笑。勝地の回答は「つけ麺」だったが、同じ質問が森山に寄せられると「前編では勝地との試合がクライマックスだったので、終わった後に勝地とご飯を食べに行って。乾杯をしました。後編はどうせ龍太(北村)と戦うんだろうと思っていますよね。実際に戦うんですけど、その後にも匠海とお疲れの乾杯をしました。食べ物というよりも、その時間を共有したのがご褒美だったかも」という森山に、勝地も「すごくいい答え!」と悔しそうな顔。その様子に、場内は大いに盛り上がっていた。(取材・文:壬生智裕)
第33回東京国際映画祭は11月9日まで六本木ヒルズほかにて開催
劇場版『アンダードッグ』は11月27日より前編・後編同日公開