星野源がテーラー役で魅せるスーツスタイル 『罪の声』で小栗旬と映画初共演
俳優の小栗旬と星野源が映画初共演を果たした『罪の声』が現在公開中。小栗ふんする主人公の新聞記者・阿久津英士が、日本中を震撼させた未解決事件の真相を追ううちに出会うのは、テーラーの曽根俊也。同じく野木亜紀子が脚本を手がけたドラマ「MIU404」での好演も記憶に新しい星野が演じた、本作の重要人物・俊也に注目する。
原作は、かつて日本を震撼させた未解決事件をモチーフにした塩田武士のベストセラー小説。食品会社を標的に企業を脅迫し、未解決のまま時効を迎えた35年前の劇場型犯罪の真相に迫る阿久津。一方、平凡な毎日を過ごしていた俊也は、ある日偶然にもあの未解決事件で犯人グループが使用した脅迫テープの声が幼少時の自分の声であると知ってしまうのだった。取材が進むなかで出会った二人は、真実を知るためさらなる手がかりを探し……。
京都で妻と娘とともに平凡な暮らしを送る俊也は、父親から受け継いだ店を営むテーラー。ゆえに、既製品のスーツを着る阿久津に対し、俊也は自分の身体にぴったりと合うスーツを着こなしている。厚手のジャケットやチェック柄など、ポイントを取り入れながらもカッチリとしたスーツは俊也のこだわりが感じられる部分だ。この二人の対照的なスーツスタイルは、それぞれのキャラクターの特徴をよく表したポイントの一つ。テーラー役ということで星野はアイロンがけ、道具や布の扱い方、テーラーの所作を一通り学んでから撮影に臨んだという。
そんな俊也の運命は、父の遺品のなかに古いカセットテープを見つけたことから予期せぬ方向へと進んでいく。事件の真相を知ることへの恐怖を心に抱きながらも、ひとつひとつ手がかりをつかみ、真実へと立ち向かっていく俊也を繊細に演じきった星野は、キャスト発表時に「悲劇でありながらも、人間がこの社会で生きる上でとても大切なメッセージが込められたこの作品の中で、曽根俊也の悲しみと共に生き、演じていきたいと思います」と役への思いを語っていた。
また、これまでも映画『未来のミライ』などで父親役の経験はあるものの、星野いわく「こんなに子どもと向き合った役は初めて」だそう。子どもの頃の自分が、知らず知らずのうちに犯罪に関わっていたことを知り、苦悩する俊也。彼が父親として自分の子どもを見つめる、その眼差しにも注目だ。
本作の脚本を手がけたのは、「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」などで知られる野木亜紀子。監督は『いま、会いにゆきます』『映画 ビリギャル』などの土井裕泰が務めた。(編集部・吉田唯)