林遣都「見たことがない自分」を発見 大九明子監督の想像を超えた演出に圧倒される
第33回東京国際映画祭
俳優の林遣都が5日、EX THEATER ROPPONGI で行われた第33回東京国際映画祭「TOKYOプレミア2020」部門作品『私をくいとめて』(12月18日公開)の舞台挨拶に登壇し、大九明子監督の独特な演出に「映像を観たときに、間違いなく今まで自分が見たことがない表情をしていたりだとか、自分がいたような気がしたので、それがとてもうれしかった」と充実の表情を見せた。舞台挨拶には、のん、橋本愛、大九監督も登壇した。
本作は、大九監督が2017年公開のヒット作『勝手にふるえてろ』に続いて綿矢りさの小説を映画化したラブストーリー。脳内の相談役「A」からアドバイスを得ながら生活する31歳独身女性・黒田みつ子(のん)の不器用な恋の行方を描く。林が演じるのは、みつ子が恋に落ちる年下の真面目な営業マン、多田くんだ。ステージに登壇した林は、「何日か前に完成した映画を観させていただいて。すごく面白くて。高揚した状態で皆さんにお披露目できる今日という日を楽しみにしていました。皆さんと一緒の時間を共有できてとても幸せに感じております」とあいさつ。
林とのんは今回が初共演。「のんさんと初めてお会いして。一緒にお芝居をして、すごく楽しかったです」と切り出した林は、「普段の穏やかな印象から、お芝居が始まって本番のスタートがかかると、一気に目の色が変わるというか。吸引力のようなものがあって。一緒にお芝居をして、細かい瞬間を共有できている感覚があって楽しかったです」と笑顔。
多田くんという役柄について「原作から膨らんでいたというか。設定なども離れた部分もあったので、新たに作っていかないと」と思っていたという林。「なかなか脚本はヒントが少なくて。自分なりに想像して膨らませて。あとは大九監督の演出を楽しみたいなという思いで現場に向かったんですけど、序盤のうちから自分の浅はかな想像を超えた監督の演出が毎日のように飛んでくるので。それが楽しくてたまらなくて。もっともっと監督の演出のもとで演じたいという思いがピークに達したくらいのところで撮影が終わってしまった」と刺激的な撮影を振り返った。
そして隣にいた大九監督に向かって「僕もっといろいろやりたいので。またお願いします」と頭を下げる営業トークに会場は大笑い。大九監督を「こちらこそ」と喜ばせてた。(取材・文:壬生智裕)