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森七菜、目標は自分を「ビックリ」させること

森七菜
森七菜

 NHK連続テレビ小説「エール」では小説家を志すヒロインの妹を好演し、放送中のTBSドラマ「この恋あたためますか」では主演を務めるなど、次世代を担う女優としてブレイク中の森七菜。最新映画『461個のおべんとう』(公開中)でも、内気な高校生・虹輝(道枝駿佑なにわ男子)とお弁当を通じて友情を育むクラスメイト・ヒロミをイキイキと演じている。「現場は楽しいけれど、演技はまだまだです」と語る森が、本作の撮影エピソードやお弁当にまつわる自身の思い出話を交えながら、理想とする女優の心構えについて明かした。

この透明感!可愛い笑顔の森七菜【写真ギャラリー】

 本作は、バンド「TOKYO No.1 SOUL SET」のメンバー・渡辺俊美がつづったエッセイを『キセキ -あの日のソビト-』などの兼重淳監督が映画化した感動ドラマ。井ノ原快彦演じる離婚したばかりのミュージシャン・一樹が、息子・虹輝(道枝)のために高校の3年間、一度も休まずお弁当を作り続けると約束する、親子の絆を描く物語。

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ヒロミとの共通点は食いしん坊!

 試写を観た帰り道、「すごく温かい気持ちになりました」と笑顔を見せる森。「わたしのお母さんも料理が大好きで、いつも台所に立っているのですが、その光景が頭の中にパァっと浮かんで……なんだかお腹が空いてきちゃって、早く家に帰ってお母さんの手料理を食べたくなりました」と思いを寄せる。さらに森は、「わたしもシングルマザーの家庭なので、この親子の気持ちと重なる部分がたくさんありましたね。お弁当を通して家族の絆を再確認できたところはすごく心に染みました」と作品を称賛した。

 森が演じるヒロミは、友だちの章雄(若林時英)とともに、学校に馴染めない虹輝とお弁当をきっかけに仲を深めていくクラスメイト役。「ヒロミとわたしは食いしん坊なところは全く同じ(笑)。でも、ヒロミには、わたしにはない芯の強さがある」と強調する。「高校生って周囲の目がすごく気になるものですが、ヒロミはそんなことお構いなし。なんと噂されようと、虹輝、章雄と仲良くお弁当を囲み、一緒に遊びに行ったりもするんですよね。わたしはヒロミとは真逆で、特定のグループに属さず、みんなと平等に仲良くなりたいタイプ。でも、真逆だからこそ、彼女の芯の強さに憧れる気持ちもあったので、リスペクトしながら演じました」

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楽しすぎて本番中に脱線しちゃった!

(C) 2020「461個のおべんとう」製作委員会

 道枝、若林、そして森と、同世代が揃ったお弁当同盟。おいしいおかずが食べられるとあれば、若い3人、否が応でも盛り上がるが、暴走しすぎて盛大なNGを出したのだとか。「お弁当を食べるシーンで、お芝居の中で楽しくなりすぎちゃって脱線してしまったんです(笑)。途中からアドリブ合戦になって若林さんが窓の外に向かって突然叫んだり、全員の暴走が止まらなくなっちゃって。兼重監督は笑って見ていましたが、あれはちょっと反省しています」と苦笑い。「そこはカットされましたが、現場の楽しい空気感が画面に映し出されていたらいいなと思いますね」

 ちなみに、森自身のお弁当にまつわる思い出話を聞いてみると、「いまだに忘れられない出来事があって」と回想する。「いつものように『今日のお弁当はなにかな?』ってワクワクしながらお弁当箱を開けたら、なんとハンバーガーとポテトが入っていて。ビックリというか、なんだか楽しくなっちゃって『ヨッシャ!』って感じで、気付いたらみんなにポテトを振る舞ったりしていました。周りがお弁当を食べている中で『ハンバーガーを食べる』というワルな感じも何だかゾクゾクしましたね。家に帰ったら、お母さんが『面白かったでしょ?』って(笑)」

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 なんでも楽しむ森の性格は、どうやら母から受け継いだDNAのようだが、ノリの良さはお弁当の食べ方にも表れている。とにかく美味しそうに食べるのだ。「目の前においしいものがあると、もう気持ちが止められない。誰も見ていなかったら、ガツガツ食べますね。『あれ? いま噛んだっけ?』っていうくらい。(食べ物が)逃げないように、とにかく急いで食べちゃいます(笑)」……なんだか口いっぱいに食べ物を頬張る姿が目に浮かぶが、本作ではそんなキュートな森の姿をたっぷりと楽しめる。

そろそろ女優としての自覚を持たねば!

朝ドラ出演や連ドラの主演、さらには松村北斗SixTONES)とダブル主演を務める『ライアー×ライアー』(2021年初春公開)も控え、まさにブレイク真っ只中の森。ところが当の本人は、「いまだに“女優”と呼ばれることに慣れない」のだとか。それでも最近は、「共演させていただいた先輩方が、みなさん俳優に対して芯を強く持たれているのを見て、『わたしも自覚しなきゃ』という思いが芽生えてきた」のだとか。さらに、「わたしの名前を見て、『この女優さんが出ているなら面白そう』と思ってもらえるように、信頼を得たい」という前向きな意気込みも口にする。

 「まだまだ自分の演技は『ダメだな』と思うことの方が圧倒的に多いのですが、それでも、自分が満足するまではとことんがんばる。自分で自分のことを『がんばったね』と思えるくらいがんばりたい。そして、いつの日か、自分自身をビックリさせたい。『自分にもできた!』という達成感を味わいたいんです。それが今のわたしの目標ですね」。楽しいことがとにかく大好きな19歳。その一方で、意外にも謙虚で自分に厳しい一面も。“伸びしろ”というフィールドの中で、森七菜はどこまで成長できるのか。今後のさらなる活躍が楽しみだ。(取材・文:坂田正樹)

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