篠原ゆき子、旧友・天野千尋監督とのタッグに感激
女優の篠原ゆき子が、11日に都内で行われた映画『ミセス・ノイズィ』(12月4日全国公開)の完成披露舞台あいさつに出席し、10年近く前からの知り合いである天野千尋監督との懐かしのエピソードなどを披露した。この日は、大高洋子、長尾卓磨、新津ちせ、宮崎太一も登壇した。
第32回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で上映され話題となった本作は、スランプ真っ只中の小説家と嫌がらせをする隣人の対立を描いた作品。新型コロナウイルスの影響で5月公開が延期となっていたが、12月にようやくお披露目されることになった。
メガホンを取った天野監督とは以前から知り合いだったという篠原は、「10年ほど前に、監督が演出を勉強するためにあるワークショップに来ていて、そこにわたしも参加していました。同じ生徒として年も近く、すぐ仲良くなったんです。だから、この話をもらった時は嬉しかったです」と旧友・天野監督からのオファーに感激したという。
天野監督は「人と人との喧嘩をテーマにしようと考え、身近な喧嘩ということでご近所トラブルを描きました。ご近所のケンカって当人たちは一生懸命ですが、はたから見ると面白かったり、どっちもどっちだったりして、映画の題材として人間の面白い部分を描けるんじゃないかなと思ったんです」と製作過程を述懐。当初は、大高演じる隣人が主人公として描かれていたそうだが、「別に主人公がいた方がいいなって。小説家の主人公という設定を考えて、篠原さんにぜひやってほしいなって思いました」と知り合いだった篠原を起用した経緯を明かした。
イベントでは、新津の愛くるしさが客席を賑わせる一幕も。新津は「すごく元気な女の子の役。お母さんの化粧品で落書きをするシーンがあったりするんですけど、そういうことをやったことがなくて、どうしようって思っていたら、監督にもっとはっちゃけてやっていいよって言われたました」と撮影エピソードを告白し、「ドキドキしました。監督、その節はありがとうございます」とあいさつ。そのしっかりとした受け答えに、司会者や登壇者一同は「一番しっかりしている」と感心しきりだった。
新型コロナによる公開延期を乗り越え、いよいよ劇場公開される本作。天野監督は「自粛期間は、SNSでのトラブルや社会の分断といった、この映画のテーマと類似するようなニュースが話題になっていて、印象的でした。そんなタイミングでこの映画をみなさんに観ていただき、みなさんにも感じるところがあれば嬉しい」と呼び掛けていた。(取材・文:名鹿祥史)