渡辺謙、終始カッコよかった豊川悦司をうらやむ「いいとこ全部持っていった」
俳優の渡辺謙が25日、都内で行われたドラマスペシャル「逃亡者」(テレビ朝日系、12月5日&6日よる9時~2夜連続)の制作発表記者会見に豊川悦司と出席し、約1年前に行われたという本作の撮影を振り返った。
本作は、テレビ朝日開局60周年記念番組として、1963年~1967年にかけて全米放送されたテレビシリーズ、ハリソン・フォード主演の映画版などで知られる名作「逃亡者」を日本でリメイクしたドラマ。妻殺しの罪を着せられたエリート外科医・加倉井(渡辺)が、自分の無実を証明するため、逃亡しながら真犯人を追う姿を描き出す。
ちょうど1年前は本作の撮影中だったという渡辺は、「1年前に撮影したというよりも、1年かかったということだと思います」と切り出し、「和泉聖治監督が大がかりなスタイルで撮影を続けていたので、CG合成なども時間がかかるんだろうなと思っていました。ある意味、家でジッとしていないといけない時期に放送させていただけるのは、かえって良かったかなと思っております」とコロナ禍での放送について心境を明かす。
主人公を執拗(しつよう)に追い詰める警視庁広域捜査班班長・保坂を演じる豊原との共演について、渡辺は「共演するのは3回目くらいですが、共演といっても同じ画面にいることはあまりなかった」と述懐。さらに、「だいたい僕は血だらけか泥だらけでコソコソ逃げ回っていて。でも彼はほぼジーンズと革ジャンでえらいカッコいいなと。スタイリッシュに銃を構えていて。いいところを全部持っていっちゃった」とうらやみ、会場を笑わせる。
その言葉に「いやいや、そんなことはないと思いますけど」と続けた豊川は、「謙さんからは学ぶことが多くて。数少ない撮影がある日も謙さんの一挙手一投足を見てしまう。そういうチャンスは本当に貴重だったので、身になった撮影でした」と充実した表情。お互いに海外での撮影経験があることから、渡辺も「最初の頃は『おつかれさま、よろしくね』という感じだったんですけど、中盤以降になると、彼も海外で仕事をしてきた人なので。お互いの苦労話をしたり、ああだったねという話をする時間もありました」と振り返った。
ハリソンが主演を務めた映画版が印象に残っていると話す渡辺は、「当時とは社会情勢がまったく違いますからね。今は携帯もあるし、ネットもある。警察も科学捜査が発達して、いろんなものが張り巡らされている。特に後半はそうしたものの網を掻い潜らないといけないので、そこは意識しました」とリメイク版ならではの違いについて言及。豊川も「最初はこういう話だし、リメイクということで、頭が固かったかもしれない。でも監督の話や、謙さんとお芝居をしていくうちに、もっと自由にやっていいんだなと思いましたね」と笑顔で語った。(取材・文:壬生智裕)