『孤狼の血』続編クランクアップ!日岡の“その後”を描くオリジナルストーリーに
2018年に公開された映画『孤狼の血』の続編となる『孤狼の血II(仮)』が11月8日にクランクアップを迎えたことが明らかになった。あわせて21名のキャラクターの一部が見える新ビジュアルも公開された。
柚月裕子の小説を白石和彌監督が映画化した『孤狼の血』。役所広司が主演を務め、松坂桃李、真木よう子、滝藤賢一、田口トモロヲ、石橋蓮司、江口洋介などが共演した。警察と暴力組織に関わるさまざまな人間模様を描き、第42回日本アカデミー賞では優秀作品賞など12部門に輝いた。
公開直後に続編の製作が発表されて話題を呼んだが、今回その内容が明らかになった。続編では前作から3年後が舞台となり、広島の架空都市・呉原市の裏社会をおさめていた伝説の刑事・大上章吾(役所)がこの世を去った後、その遺志を受け継いだ若き刑事・日岡秀一(松坂)の姿が描かれる。原作シリーズにはない完全オリジナルストーリーとなる。
続編には白石監督をはじめとするスタッフ陣が再結集し、前作と同じくオール広島ロケを敢行。新型コロナウイルスの影響により地方でのロケが困難をきわめる中、スタッフ全員がロケの開始前にPCR検査を受けたうえで毎日の体温報告を行い、ロケ地などで消毒を行う衛生班を設置するなどの対策がとられた。撮影は広島県の呉市と広島市を中心に9月29日から35日間にわたって行われ、11月8日にクランクアップを迎えた。
白石監督は「本作の撮影ほど、デビュー作以上に武者震いしたことはありませんでした。映画界をはじめ世の中が苦しい状況の中で『孤狼の血』の続編の撮影をさせてもらえるということで、色々なことをぶっ飛ばせるような映画にしなければならないという想い、そして僕たちが映画をつくることで、少しでも呉、広島に恩返しができればという想いがありました。撮影を受け入れてくれたことに本当に感謝していますし、そういった中で無事クランクアップを迎えられて安心しました」と思いをコメント。
また、続編の内容については「今回は原作シリーズに描かれていない日岡の物語となりますが、エンターテインメントとしてどこかぶっ飛んでいて、なおかつめちゃくちゃ面白いものというのを目指しました。アクションしかり、お芝居しかり、前作以上によりエンタメ作品として楽しんでもらえるようになっていると思います。撮影が苦しい時もありましたが、エンタメを目指すということは妥協しないでやりきった自信があります。まだ僕自身撮影を終えたばかりですが、すごいものを皆さんに見せられるという確信がありますので、楽しみに完成を待っていていただければと思います」と自信を見せている。
あわせて新たなビジュアルも公開された。本作では自らの信念と覚悟をぶつけ合う21人のキャラクターが物語を彩ることになるが、それぞれの身体の一部のみを捉えた期待を高める仕上がりとなっている。(編集部・大内啓輔)
映画『孤狼の血II』(仮)は2021年公開
柚月裕子(原作)コメント
『孤狼の血』の続編が、原作シリーズでは描かれていないオリジナルストーリーで、しかも全信頼を置いている白石監督のもと誕生すると聞いて、前作の一ファンとして純粋に嬉しかったです。私自身前作を観て胸が震えて、まだまだ日岡であったり、『孤狼の血』という作品の先を見たいと思っていたので、続編の製作が決定した時「またあの衝撃が体験できる!」と興奮しました。前作は非常に熱い映画でありました。きっと今作でも前作以上の熱さとか、何よりも日岡の成長であるとか、日岡を取り巻く人間模様が色濃く描かれていると思うと、今から完成が楽しみです。