小栗旬、11年ぶり日曜劇場主演 「日本沈没」を23年の東京を舞台にアレンジ
小栗旬が、2021年10月期のTBS系ドラマ「日本沈没-希望のひと-」(毎週日曜夜9時放送)で約11年ぶりに日曜劇場枠の主演を務めることが26日、同局より発表された。これまで度々映像化されてきた1973年刊行の小松左京によるSF小説の舞台を2023年の東京に置き換えアレンジしたストーリーで、小栗演じる主人公もオリジナルキャラクター。共演に松山ケンイチ、杏、仲村トオル、香川照之ら。小栗は本作に「『日本沈没』という未だかつてない困難に立ち向かっていく作品です。ただでさえ苦しい環境の中、この題材は非常に難しいお話ですが、その中でも“希望”と“人間の強さ”を届けられるよう、自分を含め、キャスト・スタッフ全力で希望を持って真摯に作品に向かっていきます。今を生きる皆さんへの賛歌になれるような作品にしていきたいと思っておりますので、ぜひご期待ください」とコメントしている。
舞台は、汚染物質を液化して海底地層の隙間に貯留する環境対策「COMS<コムス>」が進められようとする日本。そんな折、ある週刊誌に関東沈没に警鐘を鳴らす日本地球物理学界の異端児・田所博士の記事が掲載されたことから一部の団体がデモを起こし、環境庁の官僚・天海は事態を収束すべく田所博士と対面。しかし、彼は天海に「近い将来、伊豆沖で島が沈没する。その島の沈没は、私が恐れてきた関東沈没の前兆になる」と予言する。
小栗が演じるのは、目的のためには手段を選ばず、時には強引な手法で政策を推し進めてきた野心家の環境省官僚・天海啓示(あまみ・けいし)。家庭を顧みなかったため、妻と8歳になる娘とは別居中。各省庁の次代を担う精鋭達を招集した日本未来推進会議に、環境省代表として参加し政界進出を目指すが、田所博士の説に翻弄されていく。
天海の大学の同期で、天海と共に日本未来推進会議に経産省代表として参加している若手官僚・常盤紘一(ときわ・こういち)役に松山ケンイチ。環境省の腐敗を暴こうと奔走する元新聞記者の週刊誌記者・椎名実梨(しいな・みのり)役に杏。国民からの支持率が高く、日本未来推進会議を発足した総理大臣・東山栄一(ひがしやま・えいいち)役に仲村トオル。そして、原作でも重要な鍵を握るキャラクターで、日本沈没を訴え天海と対峙していく田所雄介(たどころ・ゆうすけ)に、日曜劇場「半沢直樹」続編も記憶に新しい香川照之がふんする。
脚本をドラマ「華麗なる一族」(2007)「獣医ドリトル」(2010)や映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』などの橋本裕志が務める。
松山、杏、仲村、香川、橋本(脚本)、東仲恵吾(プロデュース)のコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)
<松山ケンイチ>
まだ全ての台本が手元に無いのでどんな話になるのか分かりませんが、想定外の国の危機に日本人はどう立ち振る舞っていくのか、どう助け合っていくのか、どんな答えが出るのか、楽しみです。客観的に国のこととそこに生きている自分自身を見つめ直すきっかけになる作品になると思います。
<杏>
今回初めてTBS連続ドラマにレギュラー出演させていただくことになりました。日本沈没というどうしようもない自然の脅威にどう立ち向かうかというキャラクターたちの姿は、今の混乱の世の中で戦っている皆様と近い気持ちで共鳴し合えるのかなと思っています。そして、演じる私たちもそのような不安や脅威を抱えつつ乗り切ることになります。これを映像として残せることは意味があるような気がしています。万全の体制で挑みつつ、全力でぶつかっていきたいと思います。
<仲村トオル>
2007年の『華麗なる一族』以来の日曜劇場。はじめての総理大臣役に緊張しています。僕が演じる東山首相は、物語のはじめは一国のリーダーとしてはやや弱く甘い男に見えますが、逆風の中、上り坂を登った足に力がつくように、最終回を観た人たちに、困難な状況の日々でも諦めず前を向いて歩き続けた人間の未来には少し強くなった新しい自分がいる、というような希望を感じていただけるように全力で頑張ります。
<香川照之>
政府側の海洋環境改革方針に対し、独自の理論で徹底的に異論を唱える頑固な博士の役です。ドラマの原作は何十年も前のものですが、環境破壊問題はいま別の形でこの地球を襲っています。その意味でも我々には、未来まで持続可能な環境への取り組みが不断に求められている。日本が沈没するという、かつては荒唐無稽と思われたテーマを通して、地球が現在抱えている多くの課題を、改めてこのドラマで訴えていきたいと思っています。
<脚本家・橋本裕志>
今へ、未来へと繋がる、新たな『日本沈没』を目指して、これまでに映像化されたものとは違った角度からのアプローチで取り組んでいます。危機を前にした時にあぶり出される人間の様々な感情や、思いのぶつかり合い、極限状態だからこそ繰り広げられる人間ドラマが、そこにはあります。明日が見えない中で、それでも希望を探して生きていく登場人物たちのエネルギーを通して、皆さんに勇気を与えられる作品をお届け出来ればと考えています。
<プロデュース・東仲恵吾>
今作のテーマは、未来への希望です。日本沈没が目前に迫ってくる中で、決して諦めずに今やるべきことを全力でやる人たちの人間ドラマを丁寧に描いていきたいと思っています。そして「未曾有の危機でもこの人たちなら救ってくれるんじゃないか」そう思わせてくれる力強いキャラクターを、小栗旬さんをはじめ、松山ケンイチさん、杏さん、仲村トオルさん、香川照之さんと共に議論しながら、ドラマ版オリジナルキャラクターを作り上げました。最後まで立ち向かった先にある“希望”を精一杯の熱量で作りたいと思います。