佐藤浩市、映画作りは「人間力」大規模スクランブル交差点シーンに感慨
俳優の佐藤浩市が2日、都内で行われた映画『サイレント・トーキョー』の公開直前渋谷ジャックイベントに出席し、渋谷の街で起きる爆破事件を描いた、本作が伝えるメッセージについて語った。この日は、共演陣の石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼、波多野貴文監督も出席した。
「アンフェア」シリーズでも知られる作家・秦建日子のサスペンス小説を、映画『SP』シリーズなどの波多野監督が映画化した本作。クリスマスイブに東京で起きた連続爆破テロ事件に翻弄される人々を描いた作品で、渋谷は重要な舞台のひとつとなる。
劇中のスクランブル交差点のシーンは、栃木県足利市の巨大オープンセットで撮影され、連日1,000人近くのエキストラが協力。撮影に参加した西島が「一人でも集中していない人がいたらダメになってしまうなか、1,000人以上の人が本当に頑張ってくださいました。僕にとっても大きな経験でした」と語ると、勝地も「すごくぜいたくな撮影で、興奮したことを覚えています。いま振り返ると、こんなに多くの人が集う撮影が行えたことは奇跡に近い」としみじみ。
主演の佐藤は、大規模撮影を経て完成したシーンについて「渋谷のスクランブル交差点というのは、世界中の人が知っていると言っても過言ではない、日本の象徴的な絵。天災を含め、いま世界ではいろいろなことが起きていますが、それが対岸の火事ではないと思うのでは」と述べると「危機感の伝わり方も、この1年で大きく変わってきた。感じるものが多いと思う」と作品の持つ意味を込めて語った。
さらに佐藤は、大規模なセット撮影はもちろん、CG処理を含めた映像技術、そしてエキストラの尽力に「やっぱり映画を作ることに必要なのは、人間力なんだとあらためて実感した」と真摯(しんし)にコメント。またこの日は、「渋谷ジャック」の一環として、二階建てバスで渋谷の街を周遊し「すごく新鮮な経験でした。遠足気分を味わえた」と笑顔を見せていた。(磯部正和)
映画『サイレント・トーキョー』は12月4日より全国公開