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菅野美穂、10年ぶり映画単独主演 高畑充希、尾野真千子と共に母親役『明日の食卓』21年春公開

左から尾野真千子、菅野美穂、高畑充希
左から尾野真千子、菅野美穂、高畑充希 - (C)2021「明日の食卓」製作委員会

 菅野美穂が、椰月美智子の小説に基づく『明日の食卓』(2021年春公開)で約10年ぶりに映画で単独主演を務めることが10日、明らかになった。同じ名前、同い年の息子を持つ3人の母親の明るく幸せな生活が些細なことをきっかけに崩れていく物語で、菅野は二人の息子を育てながら仕事復帰を目指す母親を演じる。菅野は「私自身が育児中という事もあり、運命を感じる役との出会いでした。留美子を演じながら、子どもへの愛情と、母性の狂気を改めて見つめ直すような気持ちになりました」と撮影を振り返っている。3人の母親役に、菅野のほか高畑充希尾野真千子が決定している。

【写真】菅野美穂の10年前の主演映画

 本作は、2016年に刊行された椰月美智子の同名小説を、映画『64-ロクヨン』『』などの瀬々敬久監督が映画化。同じ「石橋ユウ」という名前の小学3年生の息子を育てる三者三様の母親が描かれる。母親のうち、神奈川県在住の43歳の元フリーライター・石橋留美子を演じるのは、1月スタートの「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」で約4年ぶりの連ドラ主演を務めることでも話題の菅野。留美子の夫はカメラマンで、息子のうち一人が悠宇(ユウ)。菅野にとって映画での単独主演は、2011年公開の『ジーン・ワルツ』以来となる。

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 一方、大阪在住で30歳のシングルマザー・石橋加奈を演じるのは1月スタートの主演ドラマ「にじいろカルテ」(テレビ朝日系)の放送を控える高畑充希。加奈は若くして子供を産み、離婚してからはアルバイトを掛け持ちしながら息子の勇(ユウ)を育てている。静岡在住の36歳の専業主婦・石橋あすみ役に大河ドラマ「麒麟がくる」が放送中の尾野真千子。あすみの年下の夫は東京に通うサラリーマンで、優等生の息子・優(ユウ)と共に一見何不自由のない生活をしている。

 3人の息子「ユウ」に、映画『最初の晩餐』や連続テレビ小説「エール」などの外川燎、日曜劇場「テセウスの船」の加藤みきお役などで知られる柴崎楓雅、ドラマ「この恋あたためますか」「全裸監督」などの阿久津慶人。脚本を、映画『最低。』で瀬々監督とタッグを組んだ小川智子が務める。

 本作は、今年8月18日にクランクインし、9月7日にクランクアップ。茨城県、千葉県、埼玉県、他都内近郊で撮影された。

 菅野、高畑、尾野、瀬々監督、原作者・椰月のコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)

菅野美穂(石橋留美子役)
 私自身が育児中という事もあり、運命を感じる役との出会いでした。留美子を演じながら、子どもへの愛情と、母性の狂気を改めて見つめ直すような気持ちになりました。瀬々監督の作品に参加させて頂くのは今回が初めてだったのですが、寡黙なお人柄ですが熱い思いでお芝居を受け止めてくださいました。瀬々組の阿吽の呼吸のスタッフの皆さんのお陰で、集中して取り組む事ができたのだと思います。毎日抜け殻になるまで撮影をした、という気がします。高畑充希さん、尾野真千子さんという素晴らしい女優さん達と一緒にこの作品に参加させて頂けてとても幸運に思っています。

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高畑充希(石橋加奈役)
 はじめての瀬々組。とてつもなくパワフルな現場で、あれよあれよという間に時間が過ぎてゆきました。1日1日の密度があまりにも濃すぎて、撮影期間の記憶がほとんどありません。笑
でも、スタッフさん達の瀬々監督作品への愛を毎日肌で感じていた事だけは覚えていて、きっとその愛情が、出来上がる映画からも溢れているんだろうなと思います。自分自身が生まれ育った大阪の、空気とか匂いとかを思い出しながら懐かしみながらこの加奈という役をやらせていただけて、本当に幸せでした。

尾野真千子(石橋あすみ役)
 母を演じる事はやはり難しいです。母の気持ち、子の気持ち、まだいくら考えてもわかりません。いくら歳をとっても経験者当事者でないとわかりません。この役を演じて怖くもありました。でも繋がりとは素敵で美しい大切なものなのですね。

瀬々敬久監督
 一見平穏で楽しそうな子育て中の三つの家族がゆっくりと崩壊していく様子を、決して悲観的にならず最後は希望を持って描いている原作にまず惹かれました。それはどんな家族にも訪れうる悲劇で、他者の身になって想像するという、今の分断化された世界の中で一番必要なテーマだと思えました。より広い世界観につながる映画にしたい、そう思いました。3人の母にはこの上ない方たちに集まって貰えました。菅野美穂さんは実際に子育て中であり、ご自身の経験を生かしてチャーミングなお母さんを演じてくれました。そしてラストは一線を超えた迫力です。高畑充希さんが演じるのは大阪のシングルマザー、これも高畑さん自身が大阪出身ということもあり、頑張るオカンを等身大で気丈に演じていただき感動的です。尾野真千子さんが演じるのは、ちょっとサイコな小学生の母親です。複雑な性格の彼の暴走を食い止めるには体当たりの魂の叫びしかなく、まさにそこに至っています。映画の中では、やがてこの三人の姿が微妙に繋がっていきます。映画ならではのその醍醐味も楽しんでもらえたらと思います。

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椰月美智子(原作)
 『明日の食卓』が映画化されると聞いたとき、これほど映像化にぴったりな小説はないんじゃないかと、自身はじめての映像化に胸が高まりました。そして、瀬々監督!主役の三人である菅野美穂さん、高畑充希さん、尾野真千子さん!のお名前を耳にし、この映画は成功するに違いないと確信しました。「三人の母親」と「虐待」は、どのような経緯をたどって、どのような結末になるのでしょうか。いろいろな意味で問題作となるはずです。期待しかありません。

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