「東映ラインナップ発表会」が開催!『孤狼の血』続編の白石和彌監督らが見どころ語る
2021年に創立70周年の節目を迎える東映の「2021年東映ラインナップ発表会」が22日にオンライン開催され、来年新作の公開を控える『樹海村』の清水崇監督、『いのちの停車場』の成島出監督、『孤狼の血II(仮)』の白石和彌監督、『老後の資金がありません!』の前田哲監督が出席。作品の見どころなどを語った。
『樹海村』(2021年2月5日公開)は実在の心霊スポットをモチーフにした『犬鳴村』に続く「恐怖の村」シリーズの第2弾で、自殺の名所などさまざまな都市伝説が飛び交う富士の樹海が舞台となる。清水監督は「前作と違ってホラーだけでなくドラマにも力を入れた作品」と紹介し、「東映の70周年という節目の年の作品に僕も参加させてもらって嬉しい。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が盛り上がっていて嬉しいけど、アニメに負けない日本映画も見せていきたい。(本作の)内容も自分でも自信を持って薦められる作品になりました。多くの方に見てもらえれば」と笑顔を見せる。
『いのちの停車場』(2021年5月21日公開)は現役医師でもある作家・南杏子の小説を原作にした医療ドラマ。在宅医療を行っている診療所に勤めることになった元救命救急医が、さまざまな患者と向き合っていく。会見では主演の吉永小百合からのコメント映像も公開され、吉永は「映画の世界でさまざまな役をやってきましたが、今回念願叶ってドクターの役をやらせてもらいました。新米の在宅医の役です。みなさんに観てもらって命のこと、生きるということを語り合ってもらえたら嬉しいです」と呼びかけた。
メガホンを取った成島監督は今年、東映会長の岡田裕介氏が11月18日に急性大動脈解離により都内病院にて逝去(享年71)したことに触れつつ、「岡田会長がリーダーとしてこの作品を引っ張ってくれたけど完成したものを見せられなかった」と述べ、「そのことは残念だけど、吉永さんと力を合わせて満足いただける作品を作ることができたと思います」と自信の表情を見せた。
『孤狼の血II(仮)』(2021年公開)は柚月裕子の小説を白石監督が映画化した2018年公開の『孤狼の血』の続編。白石監督は「今年の秋に撮影し、コロナ禍の撮影の中、(撮影や完成が)難しいという話がある中、東映で会う人みんなが『大丈夫です、やります』って声をかけくれた。東映さんの『僕たち映画を作るんだ』っていう腹の括り方に感謝し、それに応えなければという気持ちで作りました」とコメント。「参加キャストも同じ気持ちで取り組んでくれて、一人一人アップするたびにやりきった感のある表情を見せてくれた。広島での撮影も現地の方に協力いただいた。みなさんに背中を押してもらいながらやれた気がします」と振り返った。
また、白石監督は岡田会長から前作の時に「君の映画は描写はキツイところはあるけど、面白いから頼むな」と声をかけられたことを明かす。「(岡田会長に)観てもらえないことになってしまったけど、どこかで観てくれていると思います。来年いろんな想いを背負って公開します。ぜひ楽しみにしてもらえれば」と決意を口にした。
『老後の資金がありません!』(2021年公開)は老後の資金を貯めてきた主婦が直面する悩みをつづった垣谷美雨の小説を映画化した作品。前田監督は主演の天海祐希について「天海さんは大スター。すごくオーラがあって、それをいかに普通の主婦になってもらうかを考えました。衣装合わせの時も何を着ても似合ってしまうので、普通のどこにでもいるような主婦になってもらいたいとお願いしました」と述懐。「松重豊さんとの夫婦役でしたが、そのコンビネーションもうまくいって非常に面白い作品になっていると思います。現場で俳優陣が面白いことをやってくれたことが全て詰まっていると思います」と見所を熱っぽく語った。
会見には東映の代表取締役社長の手塚治氏、取締役企画調整部長の村松秀信氏、取締役テレビ第二営業部長の白倉伸一郎氏、取締役映画宣伝部長の篠原智士氏も出席した。
また、2021年度のラインナップとして劇場版『美少女戦士セーラームーン Eternal』の前編・後編、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』『スーパー戦隊MOVIE レンジャー』『劇場版仮面ライダー(仮)』『劇場版仮面ライダーセイバー(仮) 機界戦隊ゼンカイジャー(仮)THE MOVIE』『映画ヒーリングっど・プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』『東映まんがまつり』『映画トロピカル~ジュプリキュア(仮)』『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』『胸が鳴るのは君のせい』『総理の夫』『科捜研の女 -劇場版-』『ルパンの娘』『大怪獣のあとしまつ』『神・鬼・麗 三大能∞2020』の予告編や出演者のビデオメッセージなども紹介されていた。(文・名鹿祥史)