最多は『スパイの妻』!第75回毎日映画コンクールノミネート発表
「第75回(2020年)毎日映画コンクール」各賞のノミネート作品、ノミネート者が決定した。最多は、黒沢清監督が第77回ベネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞した『スパイの妻<劇場版>』(公開中)で10ノミネートとなった。
【動画】黒沢清監督が『スパイの妻<劇場版>』撮影の裏側明かす
毎日映画コンクールは1946年(昭和21年)、日本の映画産業の振興に寄与し、国民に映画の楽しさを広く伝えることを目的に、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社によって創設された映画賞。対象作品は、2020年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品(アニメーションおよびドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品)。
最多ノミネートとなった『スパイの妻<劇場版>』は、太平洋戦争前夜の神戸を舞台に、満州で偶然恐ろしい国家機密を知り事の顛末を世に知らしめようとする貿易会社社長・優作(高橋一生)と、その妻・聡子(蒼井優)の試練を描くサスペンス。日本映画大賞・日本映画優秀賞をはじめ男優主演賞(高橋一生)、女優主演賞(蒼井優)、男優助演賞(東出昌大)、監督賞(黒沢清)、脚本賞(濱口竜介、野原位、黒沢清)、撮影賞(佐々木達之介)、美術賞(安宅紀史)、音楽賞(長岡亮介)、録音賞(吉野桂太)の候補に。
次点は、『百円の恋』の武正晴監督が脚本家・足立紳と共に約6年ぶりにボクシングの題材に挑んだ『アンダードッグ』(公開中)で8ノミネート。森山未來が男優主演賞、北村匠海と勝地涼が男優助演賞とボクサーを熱演した3人がいずれも俳優部門でノミネート入りを果たした。そして第93回アカデミー賞国際長編映画賞部門の日本代表作品に選出された河瀬直美監督作『朝が来る』(公開中)と、今年4月に亡くなった大林宣彦監督の遺作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』(公開中)が、タイで6ノミネートとなった。
発表は2021年1月下旬の毎日新聞、スポーツニッポン新聞紙上で、表彰式は2月17日に都内めぐろパーシモンホールで行われる。ノミネート一覧は下記の通り。(編集部・石井百合子)
【作品部門】
日本映画大賞・日本映画優秀賞
『朝が来る』
『アンダードッグ』
『海辺の映画館-キネマの玉手箱』
『スパイの妻<劇場版>』
『MOTHER マザー』
外国映画ベストワン賞
『異端の鳥』
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
『TENET テネット』
『はちどり』
『パラサイト 半地下の家族』
『燃ゆる女の肖像』
【俳優部門】
男優主演賞
石橋蓮司『一度も撃ってません』
草なぎ剛『ミッドナイトスワン』
高橋一生『スパイの妻<劇場版>』
森崎ウィン『本気のしるし 《劇場版》』
森山未來『アンダードッグ』
女優主演賞
蒼井優『スパイの妻劇場版』
芦田愛菜『星の子』
土村芳『本気のしるし 《劇場版》』
長澤まさみ『MOTHER マザー』
水川あさみ『喜劇 愛妻物語』
男優助演賞
阿部サダヲ『MOTHER マザー』
宇野祥平『罪の声』
勝地涼『アンダードッグ』
北村匠海『アンダードッグ』
成田凌『窮鼠はチーズの夢を見る』
東出昌大『スパイの妻<劇場版>』
女優助演賞
浅田美代子『朝が来る』
神野三鈴『37セカンズ』
岸井ゆきの『空に住む』
ベッキー『初恋』
蒔田彩珠『朝が来る』
渡辺真起子『37セカンズ』
スポニチグランプリ新人賞(男性)
上村侑『許された子どもたち』
岡田健史『望み』
奥平大兼『MOTHER マザー』
下倉幹人『アイヌモシリ』
宮沢氷魚『his』
寄川歌太『滑走路』
スポニチグランプリ新人賞(女性)
芋生悠『ソワレ』
佳山明『37セカンズ』
工藤遙『のぼる小寺さん』
服部樹咲『ミッドナイトスワン』
モトーラ世理奈『風の電話』
森七菜『ラストレター』
【スタッフ部門】
監督賞
大林宣彦『海辺の映画館-キネマの玉手箱』
河瀬直美『朝が来る』
黒沢清『スパイの妻<劇場版>』
諏訪敦彦『風の電話』
武正晴『アンダードッグ』
土井裕泰『罪の声』
脚本賞
足立紳『アンダードッグ』
足立紳『喜劇 愛妻物語』
野本亜紀子『罪の声』
濱口竜介、野原位、黒沢清『スパイの妻<劇場版>』
丸山昇一『一度も撃ってません』
撮影賞
今井孝博『窮鼠はチーズの夢を見る』
佐々木達之介『スパイの妻<劇場版>』
月永雄太、榊原直記、河瀬直美『朝が来る』
西村博光『アンダードッグ』
灰原隆裕『風の電話』
三本木久城『海辺の映画館-キネマの玉手箱』
美術賞
安宅紀史『スパイの妻<劇場版>』
磯見俊裕、露木恵美子『罪の声』
磯見俊裕、露木恵美子『ばるぼら』
瀬下幸治『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』
相馬直樹『窮鼠はチーズの夢を見る』
竹内公一『海辺の映画館-キネマの玉手箱』
音楽賞
渋谷慶一郎『ミッドナイトスワン』
長岡亮介『スパイの妻<劇場版>』
半野喜弘『窮鼠はチーズの夢を見る』
安川午朗『一度も撃ってません』
山下康介『海辺の映画館-キネマの玉手箱』
録音賞
内田誠『海辺の映画館-キネマの玉手箱』
加藤大和『罪の声』
藤丸和徳『アンダードッグ』
森英司、ロマン・ディムニー『朝が来る』
矢野正人『おらおらでひとりいぐも』
吉野桂太『スパイの妻<劇場版>』
【アニメーション部門】
アニメーション映画賞・大藤信郎賞
『生きる壁』
『いしのしし』
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』
『劇場版 ごん - GON, THE LITTLE FOX -』
『音楽』
『かたのあと』
『サイダーのように言葉が湧き上がる』
『The Balloon Catcher』
『ジョゼと虎と魚たち』
『DINO!』
『どうにかなる日々』
『Birth-めぐるいのち-』
『附子』
『魔女見習いをさがして』
『Radio Town』
『レベッカ』
『わたしたちの家』
【ドキュメンタリー部門】
ドキュメンタリー映画賞
『アリ地獄天国』
『サマショール ~遺言 第六章』
『さよならテレビ』
『セノーテ』
『花のあとさき ムツばあさんの歩いた道』
『れいわ一揆』