マーベル・シネマティック・ユニバース、試練の2020年…重大ニュース10選
2020年のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、新型コロナウイルス感染拡大による新作公開延期や、『ブラックパンサー』主演俳優の訃報など、試練の1年となりました。ここでは、今年のMCUを象徴する重大ニュースを10の出来事で振り返ります。(編集部・倉本拓弥)
2020年はMCU新作ゼロ本…新型コロナ感染拡大で大打撃
現在も世界中で猛威を振っている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、マーベル・スタジオにも大きな影響を与えました。今年公開予定だった映画『ブラックウィドウ』『シャンチー・アンド・レジェンド・オブ・テンリングス(原題)』『エターナルズ(原題)』は全て2021年に延期となったほか、新作映画・ドラマの撮影も一時休止に。結果的に、2020年はマーベル映画が1本も公開されない異例の年となりました。なお、『ブラックウィドウ』は2021年4月29日、『シャンチー』は2021年7月9日、『エターナルズ』は2021年10月29日日本公開予定です。
『ブラックパンサー』チャドウィック・ボーズマンさん、大腸がんで死去
今年8月、『ブラックパンサー』で主人公ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンさんが、大腸がんのため43歳という若さでこの世を去りました。The Hollywood Reporter は、チャドウィックさんの闘病生活を知ってたのは家族やごく一部の関係者のみで、本人は死の1週間前まで、『ブラックパンサー』続編に主演できることを信じていたと報じました。『ブラックパンサー』続編は2022年7月8日全米公開予定で、マーベル・スタジオは先日、チャドウィックさんの代役は立てずに製作すると発表しました。
MCUフェーズ4作品、公開スケジュールが大幅変更
新型コロナの影響で新作公開の延期を余儀なくされたマーベル・スタジオは、MCUフェーズ4作品の公開スケジュールを大幅に変更。『ブラック・ウィドウ』を含む3作品が2021年公開にスライドし、『マイティ・ソー』第4弾や『ドクター・ストレンジ』続編の全米公開日が、2021年から2022年にずれ込みました。なお、2022年5月公開予定だった『ブラックパンサー』続編は7月に、2022年7月公開予定だった『キャプテン・マーベル』の続編も11月にそれぞれ変更となっています。
サム・ライミが『ドクター・ストレンジ』続編監督に就任
今年1月、『ドクター・ストレンジ』の続編『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題) / Doctor Strange In The Multiverse Of Madness』を手がける予定だったスコット・デリクソン監督が、創造上の相違により降板を発表。後任に選ばれたのは、なんと『スパイダーマン』シリーズでお馴染みのサム・ライミ監督。以前から、続編はホラーテイストが強いと言われており、数多くのホラー映画をプロデュースするライミ監督にぴったりの作品です。続編はすでに撮影が始まっており、2022年3月25日全米公開予定です。
『ダークナイト』クリスチャン・ベイルがMCU入り
『ダークナイト』三部作でDCヒーロー・バットマンを演じたクリスチャン・ベイルが、『マイティ・ソー』シリーズ第4弾『ソー:ラブ・アンド・サンダー(原題) / Thor: Love and Thunder』に出演することが正式決定。マーベルとDC両方の作品に出演することになったクリスチャンは、ソーたちの前に立ちはだかる悪役ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャーを演じる予定です。全米公開は2022年5月6日を予定しており、撮影は年明け1月からオーストラリアで始まります。
トムホ主演『スパイダーマン』第3弾、過去シリーズのヴィランが登場
トム・ホランド主演の『スパイダーマン』シリーズ第3弾に、サム・ライミ監督が手がけた『スパイダーマン』三部作、マーク・ウェブ監督による『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのヴィランが参戦することが判明。ライミ版からはアルフレッド・モリーナ演じるドクター・オクトパス、ウェブ版からはジェイミー・フォックスふんするエレクトロがMCUに登場します。本作には、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)も登場予定で、三つのシリーズが交わることと大きな関係があるかもしれません。第3弾は前2作と同じくジョン・ワッツ監督がメガホンを取り、来年12月17日に全米公開されます。
『モービウス』映像公開 マイケル・キートンがヴァルチャー再演か
スパイダーマンの宿敵を描く新スピンオフ『モービウス』(2021年3月19日全米公開)の海外版予告編が今年1月に公開され、MCU映画『スパイダーマン:ホームカミング』で悪役バルチャーを演じたマイケル・キートンの出演が明らかになりました。吸血コウモリを用いた人体実験で誕生したダークヒーロー・モービウス(ジャレッド・レトー)が主人公となる本作は、米ソニー・ピクチャーズが製作しており、マーベル・スタジオのキャラクターが登場することで、MCUとのクロスオーバーに期待が高まっています。ソニー製作の『スパイダーマン』スピンオフ作品ではこのほか、『ヴェノム』の続編『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(原題) / Venom: Let There Be Carnage』が6月25日に全米公開予定です。
MCU版『ファンタスティック・フォー』が正式発表
マーベル・スタジオ社長ケヴィン・ファイギが、2019年のサンディエゴ・コミコンでファンタスティック・フォーのMCU入りを示唆してから1年。ついに、MCU版『ファンタスティック・フォー』の製作が正式発表となりました。監督に就任したのは、トム・ホランド主演『スパイダーマン』シリーズを手がけるジョン・ワッツ。ディズニーによるフォックス買収でX-MENなどがMCU入り可能となったなか、彼らよりも先にファンタスティック・フォーが合流することになりそうです。
『デッドプール』第3弾、マーベル・スタジオで企画始動
20世紀フォックス(現:20世紀スタジオ)がライアン・レイノルズ主演で製作していた『デッドプール』シリーズにも大きな動きがありました。マーベル・スタジオが、アニメ「ボブズ・バーガーズ(原題) / Bob's Burgers」などのウェンディー&リジー・モリノー姉妹を脚本に迎えて、第3弾を企画していると、Deadlineが独占で報じました。デッドプールのクリエイターであるロブ・ライフェルドは、第3弾は実現しない可能性があるとも発言していましたが、ようやくデッドプールがMCU参戦に向けて動き出しました。企画はまだ初期段階で、前2作と同様にR指定での製作が予想されています。
Disney+ドラマシリーズ、新作が続々
2021年以降のMCUは、映画だけでなく配信ドラマも目白押し。来年1月15日配信の「ワンダヴィジョン」を筆頭に、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(3月19日日米同時配信)、「ロキ」(5月日米同時配信)、「ホークアイ(原題) / Hawkeye」(2021年後半配信)、「ミズ・マーベル(原題) / Ms. Marvel」(2021年後半配信)が立て続けにリリースされます。さらに、今月行われたウォルト・ディズニー・カンパニーの投資家向け発表会では、新たに複数のドラマシリーズ製作が発表に。アイアンマンの後継者となる15歳の黒人少女が主人公の「アイアンハート(原題) / Ironheart」、ウォーマシン(ドン・チードル)が登場する「アーマー・ウォーズ(原題) / Armor Wars」、ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)とスクラル人・タロス(ベン・メンデルソーン)がメインの「シークレット・インベージョン(原題) / Secret Invasion」など、映画とのリンクも期待できるタイトルが今後も続々登場予定です。