朝ドラを彩る元宝塚女優たちの活躍!過去には現役タカラジェンヌも…
これまで宝塚歌劇団と深い関わりを持ってきたNHKの連続テレビ小説。現在放送中の「おちょやん」(月~土、NHK総合・午前8時~ほか)にも、元タカラジェンヌである明日海りおや映美くららなどがキャストとして名を連ねている。「おちょやん」に出演する元タカラジェンヌを紹介しつつ、朝ドラと宝塚の蜜月な関係を振り返ってみたい。
「おちょやん」木月あかり(叶海世奈)も大部屋の女優役で登場!【写真】
連続テレビ小説の第103作にあたる「おちょやん」は、明治の末に大阪の貧しい家に生まれたヒロインの竹井千代(杉咲花)が、華やかな芝居の世界で女優の道を駆け上がっていく姿を描く物語。千代と関わることになる女優役として、元宝塚トップスターたちが物語に参戦している。
千代が初めて役者の世界に飛び込んだ、山村千鳥一座の座員である薮内清子を演じる映美は、朝ドラへの出演は2度目。夏菜がヒロイン役を務めた「純と愛」(2012年後期)にも登場しており、今作では口が悪くわがままな座長の千鳥にいつも振り回されるものの、どこまでもついて行こうとする一途な清子を演じている。ほかにも木月あかり(叶海世奈)、星蘭ひとみ、湖条千秋が登場しており、さらなる出演者にも期待が高まるところ。
そして、今後に登場が予定されている明日海が演じるのは、千代にとって家族のような存在となる喜劇の一座「鶴亀家庭劇」の女優・高峰ルリ子。かつて東京で主役を張るほどの人気女優だったが、大山鶴蔵(中村鴈治郎)社長に頼まれて鶴亀家庭劇のメンバーに。プライドが高く、最初は喜劇をバカにしていたが、徐々に女優魂に火がついていく……という役どころ。千代にどのような影響を与える存在になるのか、大きな見どころとなりそうだ。
そんなタカラジェンヌと朝ドラの関わりには、長い歴史がある。「虹を織る」(1980年度後期)では、宝塚歌劇団の舞台に情熱を注ぐヒロインの半生が描かれた。本作で本格デビューを飾った紺野美沙子がヒロインを演じ、宝塚からは新珠三千代、大地真央、毬谷友子、五月梨世といった顔ぶれが多数出演したことも大きな話題に。タイトルは宝塚歌劇団創立60周年の記念団歌の一節からとられている。
そして、社会現象を巻き起こした「おしん」(1983年度)では、乙羽信子がヒロインであるおしんの中年・老年時代を演じ、先日惜しまれつつこの世を去った大路三千緒が祖母のなか役を務めていた。時代が下って「ぴあの」(1994年度前期)では、雪組で娘役のホープだった純名里沙が現役タカラジェンヌとして初めての朝ドラヒロインに抜てき。童話作家を目指すぴあのを演じた純名は主題歌も担当し、歌声を披露。主題歌や劇中の童謡などの音楽を久石譲が担当していた。
近年では「てるてる家族」(2003年度後期)のヒロインである岩田冬子(石原さとみ)は宝塚音楽学校に入学を果たしている。物語ではその後にパン職人の道へと進むことになる冬子だが、その姉でフィギュアスケート選手の春子を紺野まひるが演じるなど、やはり宝塚と縁深い作品となっている。
ほかにも元タカラジェンヌの出演者としては、野々すみ花と舞羽美海が「あさが来た」(2015年度後期)に、愛華みれが「芋たこなんきん」(2006年度後期)、「ゲゲゲの女房」(2010年度前期)に姿を見せており、天海祐希が「マッサン」(2014年度後期)の最終週に出演したことも記憶に新しい。(編集部・大内啓輔)
お詫びと訂正: 初出時の一部名称に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。