役所広司、仲野太賀&長澤まさみからの公開インタビューで思わず本音
俳優の役所広司が21日、都内で行われた映画『すばらしき世界』(2月11日公開)のプレミア上映イベントに、共演の仲野太賀、長澤まさみ、西川美和監督と登壇。イベント中、仲野と長澤から公開インタビューを受けた役所は、思わず本音をこぼし、会場の笑いを誘っていた。
本作は、『ゆれる』『永い言い訳』などの西川監督が脚本も兼任し、直木賞作家・佐木隆三の小説「身分帳」を原案とした人間ドラマ。舞台を約35年後の現代に設定し、13年の刑期を終えた元殺人犯・三上正夫(役所)の出所後の日々を描く。
脚本を読む前から本作に参加したかったという役所は、「こういう企画が通るのは、西川さんの実績のたまものだと思いました」と初タッグの西川監督に対する思いを打ち明けると、全員やる気がみなぎるハリのある現場を作り上げる監督を「素晴らしい才能」と称賛した。
そんな役所に、テレビディレクター・津乃田龍太郎役の仲野とテレビプロデューサー・吉澤遥役の長澤が、映画の役柄にちなんで公開インタビューを実施。まず、仲野が「撮影中、大変だったこととか……」と投げかけると、役所は「それ、俺たちがいつも(記者に)聞かれて困る質問」と本音を吐露して苦笑い。しかし、「商店街を50メートルダッシュ。なかなかカメラとの距離が上手くいかなくて、自分の体力の衰えを見せつけられたシーンでした」と撮影を振り返り、見合う回答を導き出した。
続けて、「ぶっちゃけ、仲野太賀どうでした?」と迫る仲野。役所は「出てたっけ?」と応戦しつつ、「なかなか素晴らしい俳優さんだと思います」と褒め、「本人、相当喜んでいると思います」と仲野を喜ばせる。一方で、「可愛がられるタイプの人間を普段から演じてますね」と本質を見抜く回答を出し、会場の笑いを誘った。
すると長澤も、「そこに便乗させてもらって、長澤まさみはどうです……?」と質問。役所は「ものすごくキレイ」とベタ褒めすると、ハイヒールを履いてかなりのスピードで走るシーンを挙げ「すごい」と感心も。長澤は、大先輩からの愛ある言葉に「ありがとうございます!」と満面の笑みを見せていた。
本作は、第56回シカゴ国際映画祭で観客賞と最優秀演技賞(役所)を受賞しており、この日は映画祭のトロフィーと盾もお披露目された。役所は「うれしいですね。でも、作品の力があってこその個人賞なので、できるなら切り刻んでみんなに分けたい」と喜びをかみしめていた。(取材:錦怜那)