大河主演の吉沢亮、渋沢栄一は「挑戦的な役柄」 ありのままの感情を出す男
俳優の吉沢亮が27日、大河ドラマ「青天を衝け」(2月14日よりNHK総合ほかにて放送)リモート会見に登壇し、脚本の大森美香から「第1話を観て、早く続きが観たいと思った」と称賛されると「ホッとしました。新しい吉沢亮の扉は開いていると思います」と安堵の表情を見せていた。この日は制作統括の菓子浩、演出の黒崎博も出席した。
本作は、約500もの企業を育て、約600の社会公共事業に関わり「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一(吉沢)を主人公にした物語。幕末から明治にかけて激動に揺れた時代に翻弄されながらも、力強く生きた人々の生きざまが描かれる。
大河といえば例年、年明け早々に放送がスタートするが、本作の初回放送は2月14日。新型コロナウイルス感染拡大により前作の大河「麒麟がくる」が一時撮影休止になるなどの影響を受け、異例の展開となった。吉沢は「ついに放送まで1か月を切りました」と現在の心境を述べると「淡々とした撮影の日々が続いているので、まだ実感が湧いていないんです」と苦笑い。
ようやく初回試写でメディアにお披露目され、「どんな感想を持っていただけるのか気になります」という吉沢。脚本の大森は、「第1話の冒頭部分(の吉沢が登場しているシーン)を観て、早く続きが観たくてたまらないと思いました。新しい吉沢さんを観られるのが楽しみ。この年代の役者さんのなかでは、ズバ抜けて力強い。地に足がついた力強さがあります」と称賛した。
大森の言葉に吉沢は「嬉しいです」と破顔すると「『イメージと違う』と言われたらどうしようかと思ったので、ちょっとホッとしました」と安堵の表情。渋沢栄一を演じるうえで、初めはある程度決め事を作っていたというが、大森が描く渋沢が非常に人間臭く感じた吉沢は、撮影が続くにつれて「決め事を取っ払って自由にやらせてもらおうと思った」と考えが変わったという。
大森同様、制作統括の菓子も、吉沢の新しい一面を堪能できると演技に太鼓判を押すと、吉沢自身も「ここまで含むことなく、ありのままの感情を出す男を演じたことがないので新鮮」と言い、「僕自身も挑戦的な役柄だと思って、今ある自分では太刀打ちできない。新しい吉沢亮の扉は開いていると思います」と胸を張った。
大河ドラマ初出演にして主演という大役に挑む。「まずセットがでかすぎますね」とスケールの大きさを言及すると「キャストも素晴らしい方ばかりで、完璧に用意された贅沢な環境のなかでお芝居をする緊張感がすごい」としみじみ。そんな現場で一人の人間の生涯を長い時間かけて演じることに「栄一の成長を演じるには、役者としても成長していかなければダメ。とてもいい経験をさせてもらっています」と撮影を堪能しているようだった。(磯部正和)