『紅の豚』ポルコ・ロッソ役 俳優・声優の森山周一郎さん肺炎で死去
宮崎駿監督作『紅の豚』(1992)のポルコ・ロッソ役などで知られる、俳優・声優の森山周一郎さんが、8日に肺炎のため亡くなった。享年86歳。9日に公式Twitterを通じて発表された。
1934年生まれの森山さんは、日本大学藝術学部映画学科を中退し、劇団東芸に第1期研究生として入所。数多くの舞台やドラマ出演のほか、渋みある低音ボイスを用いて声優としても活躍した。吹き替えでは、ジャン・ギャバンをはじめ、スペンサー・トレイシー、チャールズ・ブロンソン、リノ・ヴァンチュラなどハードボイルドスターの声を担当。テリー・サバラスの大ヒットドラマ「刑事コジャック」でも広く知られる。
アニメでは「リボンの騎士」「デジモンテイマーズ」「残響のテロル」など数多くの作品に参加。なかでも『紅の豚』のポルコ・ロッソ役で知られ、2015年9月に更新した公式ブログで森山さんは、宮崎監督から自宅に電話が入り、最初こそ「顔が曇った」ものの「間髪入れず娘が『お父さん!断っちゃダメ!!』とバッテンリアクションをした。普段の娘とは様相が違うことを察知し、『はい判りました、お伺いします』と答えた」と主演決定までのエピソードをつづっている。
映画出演は『野獣の復活』(1969)、『Shall we ダンス?』(1996)『1リットルの涙』など。自身も出演した『幻想のParis』(1992)ではメガホンを取った。ナレーションの分野においても「シルバー仮面」「特捜最前線」「トリック」シリーズなど、ドラマからバラエティー番組まで幅広く活躍。公式Twitterの運営事務局は「芸能生活63年の間、ファン並びに関係者の皆様には多大なるご支援をいただき、まことにありがとうございました。この場を借りて心より御礼申し上げると共に、謹んでお報せいたします」としている。(編集部・入倉功一)