松村北斗、挫折は原動力!ダメだと感じられることは貴重
昨年、SixTONESのメンバーとしてCDデビューを果たした松村北斗。アイドルとして活躍する一方で、俳優業も精力的に取り組み、映画やドラマへの出演を重ねてきた。最新作『ライアー×ライアー』(2月19日公開)では、現在人気急上昇中の森七菜を相手にラブコメに挑戦。「いままで伸ばしたことのなかった筋肉を使った」と表現した松村。アイドルと俳優業、彼はどんな未来を描いているのだろうか。
松村北斗のツンデレギャップ!『ライアー×ライアー』場面カット
恵まれた体躯にさわやかな笑顔。アイドルとして、ステージ上でまばゆいオーラを放っている松村が俳優として挑んだのが、恋愛経験ゼロの地味系女子の義理の姉と繰り広げるラブコメだ。
松村は「キュンとするラブとコミカルな部分のメリハリをしっかり強弱つけられれば、コメディー部分が活きてくると思う」と目的意識を持って作品に臨んだ。そんな松村と対峙するのが、一流と呼ばれる映画監督から賛辞が相次ぐ森。松村は「僕自身も共演が決まる前から、すごく説得力がある芝居をする女優さんだなと思っていた方。並んで芝居をしたら差が出てしまうのでは……という怖さがありました」と正直な胸の内を明かす。
実際、撮影現場に入ると、そういった怖さはなくなったというが、状況に応じて芝居が変化していく森に対応していくことで、自分自身も進化しているような感覚になれた。「すごく共演者に恵まれたなと実感しました」と撮影を振り返る。
映画、ドラマと芝居の経験を重ねているが「やればやるほど反省点が見えてくるし、わからないことだらけ」と現状について述べる松村。しかしそれは俳優業に限ったことではないようで「歌もダンスもどんなジャンルでも、やっぱり反省することは多いんですよね」と苦笑いを浮かべるが、その表情はどことなく楽しそうだ。
「壁にぶつかるわけで、笑顔がこぼれるような楽しさではない。結構しんどいんですよ」と前置きしつつも「でもダメだな……って全力で感じられることって貴重だし、それを満喫できているんです」と充実した日々であることを強調する。
どんなジャンルでも向き合い方は一緒だという松村。アイドルとしての活動と俳優業は、ある意味で「地続き」だという。「もちろん技術的には違うのですが、グループにいても、個人で活動していても、誠意と責任を持って取り組むというマインドは近しいと思っています。グループだけだと慣れみたいなものが出てきてしまいがちですが、個人で勝負することでグループでも胡坐をかかないで臨める。両方に取り組むことでの相乗効果は大きいです」とキッパリ。
松村は、本作での経験を「伸ばしたことのない筋肉を使ったという感じ」と表現した。「感覚的なことが多く、言語化するのが難しいのですが、例えばカメラの前での立ち方や、台本の捉え方とか……。でもあまり具体的に課題や得たことを意識してしまうと、そこばっかりに目がいってしまうので、なるべくぼんやりと捉えるようにしているんです」
こうした松村の考えは、目標や理想像という話にも繋がる。「僕はあまりそういったものを決めないようにしているんです。しっかり目標を決めることの大切さもわかるのですが、もしそうならなかったとき、もしかしたら予定通りにいかないことがプラスに働くかもしれないのに、失敗したなと思ってしまう。同じく理想の俳優像などを持つとその人を一生超えられなくなってしまう。勝てない比較対象を作って自分を責めてしまうのは、ちょっともったいないですよね」
ものを作る情熱と活気に溢れる撮影現場だったという『ライアー×ライアー』。多くのことを学んだが「お芝居をしているのが本当に楽しいと改めて気づけたことが大きかった」と語った松村。現在放送中の連続ドラマ「レッドアイズ 監視捜査班」では天才ハッカーとして、本作とは違った一面も見せており、今後もさらなる活躍が期待できる楽しみな俳優だ。(取材・文:磯部正和)