のん監督・主演映画が劇場公開!特撮に『シン・ゴジラ』樋口真嗣&尾上克郎を迎え、コロナ禍の美大生を描く
のんの監督・主演映画『Ribbon』が劇場公開されることが19日、明らかになった。コロナ禍の美大生たちの青春を描く物語で、のんにとって監督作はYouTube Original映画「おちをつけなんせ」(2019)以来、2作目。初の劇場長編作品となる。のんは制作に至った経緯を「昨年、新型ウイルスが蔓延し始め、私自身が主催する音楽フェスを開催直前に中止の決断をしました。あの時の悔しさは忘れられません。そして、1度目の緊急事態宣言による自粛期間を過ごしながら、音楽や映画や舞台などのエンタメや芸術の優先順位が下がっていくのをひしひしと感じていました。その中で改めて気付けたことは、自分は見てきたエンタメや音楽やアートによって支えられているということです。どんどんその思いが強くなって、いてもたってもいられず脚本を書き始めました」とコメントしている。2021年公開予定。
本作は、コロナ禍の2020年が舞台。多くの卒業式がなくなり青春を奪われていく学生たちの悲しみを目の当たりにしたのんが、世の中の擦りきれた思いを少しでもすくい上げたい、という思いで企画。脚本ものん自ら手がけ、美術大学に通う主人公いつか(のん)が卒業制作展の中止、家族との衝突、イライラを募らせる友人などコロナ禍に翻弄されながら、アイデンティティーを取り戻していくさまが描かれる。
主人公の感情の流れをカラフルなリボンで表現する「リボンアート」も、のん発案によるもの。時に鋭く尖り、時にしなやかに踊るようなリボンの動きを、『シン・ゴジラ』監督・特技監督の樋口真嗣、准監督・特技統括の尾上克郎のコンビが担当する。
なお、本作の応援PV「映画と生きる映画に生きる」(風篇・炎篇・雨篇の3種)が19日より、のん公式YouTube、日本映画専門チャンネルほかで配信、放送。撮影現場の過酷にして情熱的な裏側と、いかなる状態になろうとも被写体を見つめ続ける“監督・のん”を捉えるもので、演出を樋口真嗣監督が担当。のん監督を支える映画スタッフ役に映画監督、特撮監督を起用。緒方明、尾上克郎、犬童一心、片渕須直、白石和彌、市井昌秀、沖田修一、枝優花らが出演する。
のんのコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
<のんコメント全文>
昨年、新型ウイルスが蔓延し始め、私自身が主催する音楽フェスを開催直前に中止の決断をしました。あの時の悔しさは忘れられません。そして、1度目の緊急事態宣言による自粛期間を過ごしながら、音楽や映画や舞台などのエンタメや芸術の優先順位が下がっていくのをひしひしと感じていました。その中で改めて気付けたことは、自分は見てきたエンタメや音楽やアートによって支えられているということです。どんどんその思いが強くなって、いてもたってもいられず脚本を書き始めました。作品の主人公を自分の憧れである美大生にしようと決めてコロナ禍の美大生の方たちの状況を調べ始めました。そして、美大生の方たちの卒業制作を取り上げた記事を見つけました。そこに書かれてあった「時間をかけて作ったものがゴミのように思えてしまった」というインタビューが、あまりに衝撃的で。自分の悔しさにも共鳴して膨れ上がって、この無念をなんとか晴らしたいと、脚本を書き進めていきました。コロナ禍で擦り切れた思いを、少しでもすくい上げるような映画になったら……。心を込めて作った映画です。みなさま、ぜひお楽しみにしていただけたら嬉しいです。