井浦新&尾野真千子「こちらあみ子」映画化に出演 主人公に先駆け両親役決定
俳優の井浦新、尾野真千子が、芥川賞作家・今村夏子のデビュー作を実写映画化する『こちらあみ子』に出演することが12日、明らかになった。ちょっと風変わりな少女・あみ子と、彼女を取り巻く人々の奇妙で滑稽な日常を描く物語で、井浦と尾野は主人公あみ子の両親にふんする。
【動画】芦田愛菜が6年ぶり実写映画主演!今村夏子原作『星の子』
本作は、「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞し、「星の子」が芦田愛菜主演で映画化された今村夏子の同名小説に基づくもの。原作は第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞を受賞している。主人公は、優しい父、一緒に登下校をしてくれる兄、書道教室の先生でお腹に赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君ら、多くの人に見守られながら日々を送る女の子・あみ子。しかし、純粋で素直なあみ子の行動は周囲の人たちを困らせることになる。監督・脚本は、大森立嗣監督らの現場で助監督を務めた森井勇佑。自ら映画化を熱望していた本作で長編監督デビューを果たす。
主人公あみ子役に先駆け、両親役のキャストが決定。いつも家族を見守る父に、今年1月クールのドラマ「にじいろカルテ」では風変わりな医師役で強烈な存在感を発揮し、現在放送中のドラマ「あのときキスしておけば」での男女入れ替わり演技も話題の井浦新。書道教室の先生で妊娠中の母役に、大河ドラマ「麒麟がくる」の伊呂波太夫役も記憶に新しく、『茜色に焼かれる』『明日の食卓』の2本の映画の公開を間近に控える尾野真千子。
本作は2021年7月に原作の舞台でもある広島オールロケにてクランクイン予定。主人公あみ子をはじめ子どもたちの主要キャストは、演技経験の有無を問わずオーディションで選考。第2回目のオーディションを、5月下旬にロケ地広島で実施予定。
なお、本作の製作応援を目的としたクラウドファンディング(https://motion-gallery.net/projects/kochira_amiko)の実施も決定している。
森井勇佑監督のコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)
森井勇佑監督
僕がHi8のビデオカメラで遊び始めたのは、中学1年生の頃でした。友達3人くらいと『男プロダクション』と名乗り、高校を卒業するまで30本ほど遊びで映画を撮りまくりました。たいていの友達はカメラの前に立つだけで恥ずかしくて笑ってしまいます。でもそんな中でなぜか、ほとんど笑わずカメラ前で堂々と立っていられるヤツがいました。そいつはぶっきらぼうで、ときどき奇行もするので、学校では浮いた存在でした。でも映画に出るのはすごく好きだったようで、「次は何をとるんや」「映画はとらんのか」としょっちゅう催促されました。今思えば、そういうヤツだったからこそ、存在が面白く、僕らも映画を撮りつづけたのだと思います。「こちらあみ子」をはじめて読んだ時、僕はあみ子のことを友達のように感じました。あみ子は面白いヤツです。その面白さをみんなに伝えたい。それは僕が中学生のときに思ったことと、きっと地続きなんだと思います。それ以来、この小説を映画にしたいと強く思い続けてきました。あみ子という存在は、映画で撮るべきだと思ったのです。「こちらあみ子」が初監督作品になることは、自分にとっては必然的なことだと感じています。覚悟を持って挑みます。と同時に、最高に嬉しいです。ワクワクして仕方がありません。