菅野美穂「育児は毎日ギリギリ」主演映画で全力の母親役
女優の菅野美穂が28日、イオンシネマみなとみらいで行われた主演映画『明日の食卓』の初日舞台あいさつに出席し、母親を熱演した本作の公開に際して「この映画が誰かの元気の素になるといいなと思っております」と希望を込めた。この日は、菅野と共に高畑充希、尾野真千子、和田聰宏、大東駿介、藤原季節、瀬々敬久監督も登壇した。
菅野美穂、高畑充希、尾野真千子が母親役で競演!舞台あいさつの様子【写真】
本作は、椰月美智子の小説をもとに、それぞれに「石橋ユウ」という名前の息子を育てる3家族の幸せな日常が、ささいなきっかけから思いも寄らぬ方向に向かうさまを描く物語。菅野と共に高畑と尾野が母親役を務めている。
初日を迎えたこの日、菅野は冒頭に「公開できるのかなという思いでここまで過ごしてきました。こうして劇場でみなさんとお会いできてホッとしています。コロナ禍ですが、この映画が誰かの元気の素になるといいなと思っております」とあいさつし、公開できたことに安堵の表情を見せた。
そんな菅野は劇中、夫婦喧嘩のシーンなどで夫役の和田と迫力ある演技を見せている。そのことについて問われると、「うちの旦那は本当にビールばかり飲んで、やってほしいことをやってくれない旦那さんで……」と役になりきって和田を相手におどけつつ、「喧嘩のシーンはすごかったです。和田さんがしっかり受けて止めてくれたので全力でできたのかなって。監督も(そのシーンの撮影では)熱量が上がっていて、やりがいのあるシーンをやっているだなって思いました」と振り返る。
母役ということで共感もあったそうで、「夫婦のことって二人にしかわからないことがあって、やっぱり育児は毎日ギリギリ。綱渡りのようななか、ちょいちょい綱からも落ちるんですけど、私もその気持ちはわかりました」と語った。
一方の和田も「菅野さんはテストと本番で雰囲気がガラリと変わる。すごいなと思いました」と感心しきり。これに菅野は「毎回全力でやっています。だから暴投になっていることもあったかも」と笑う。また、菅野は「撮影中はフェイスシールドをつけていたのですが、和田さんは慣れていたけど、私は慣れていなくて、フェイスシールドなしで話かけてしまったり……。申し訳なかったなと今になって思います」と和田との撮影の様子を明かした。
最後に「今日は劇場にお越しいただきありがとうございます。(映画では)女性が育児をしていて、日々の孤独やモヤモヤが描かれていますので、自分だけじゃないって思ってほしい」と呼びかけた菅野。「大きな声で劇場に来てほしいとは言えない世の中ですが、みなさんとここでお会いできて私も勇気をもらえました。みなさんの“明日の食卓”が豊かなものになりますように」と笑顔を見せた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『明日の食卓』は5月28日より全国公開中