『アーヤと魔女』宮崎吾朗が3DCGアニメの制作過程を解説!ジブリ美術館で新企画展示
三鷹の森ジブリ美術館の新企画展示となる『アーヤと魔女』展が、今月2日からスタートした。スタジオジブリ初のフル3DCGアニメーションの制作過程を、作品を手がけた宮崎吾朗監督の解説付きで紐解く内容だ。
同展示は、「3DCGアニメーションの面白さ、奥深さ、表現としての可能性」を伝えるために企画されたもの。入り口を抜けてすぐ右には、2011年公開の『コクリコ坂から』と最新作『アーヤと魔女』を例えに、2Dセルアニメーションと3DCGアニメーションの制作行程が比較できるチャート図が展示されている。宮崎監督によるユーモラスな解説やイラストと共に、両作品の制作過程における違いや意外な共通点を発見することができる。
主人公アーヤらメインキャラクターの姿を映し出すパネルの横では、宮崎監督の作業デスクを再現。『アーヤと魔女』の絵コンテやメモ書きと共に、宮崎監督がマイブームだったというタイカレーの缶詰が置いてあったりと、監督の遊び心が伝わってくる。
キャラクターデザインを紹介するスペースでは、多くのジブリ作品を支える近藤勝也が手がけた手描きのキャラクターデザインの数々や、3DCGとしてモデリングされる過程を収めた映像を公開。また、髪の毛の造形で参考になったという、アニメーションスタジオ・ライカ制作の映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』のコーナーも用意されており、同作で使用された人形が展示中だ。
さらに、来場者体験型の展示として、自分だけのアーヤの表情を作ることができるスペースを用意。髪、眉、目、唇を自由に操作することが可能で、「キャラクターに生命を吹き込む」という作業が実際に体験できる。宮崎監督曰く「アニメーターによって、キャラクターの表情は全くといっていいほど変わる」そうで、操作パネルのすぐ上には完成したキャラクター表情と自分の表情を比較するための鏡が設置されている。
他にも、3DCGにおける“ジブリ飯”の制作工程が明かされるプロップ(小道具)コーナーや、マグマや水などの特殊効果、作品を彩るライティングにまつわる展示が充実しており、映画を鑑賞した後にも足を運びたくなる内容となっている。
『アーヤと魔女』展は2022年5月まで開催予定。なお、ジブリ美術館は日時指定の予約制となっており、チケットはローチケWEBサイトにて販売中。新型コロナウイルスの影響で開館時間やチケット販売方法などに変更が生じる可能性がある。最新情報は公式ホームページ要確認。(取材・文:編集部・倉本拓弥)