太宰治「斜陽」映画化で宮本茉由が映画初主演!安藤政信は太宰モデルの作家役
太宰治のベストセラー小説「斜陽」が『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』というタイトルで映画化され、2022年に全国公開されることが明らかになった。19日、太宰ゆかりの地・三鷹市の芸術文化センターで製作発表記者会見が行われ、キャストの宮本茉由、安藤政信、白須慶子、岡元あつこが出席。映画初出演にして初主演を飾る宮本は「ずっと映画に出演することが夢でした。いろいろ人生が変わるかなと思うので、気合を入れて頑張りたいです」と意気込みを語った。
監督を務めるのは『ふみ子の海』の近藤明男。古い道徳にどこまでも抗い、道ならぬ恋に突き進む25歳の島津かず子(宮本)、最後の貴婦人の誇りを持ちながら結核で死んでいく母、体に流れる貴族の血に抗いながら麻薬と酒に逃げて破滅していく弟、そして太宰自身を投影した無頼な生活を続ける売れっ子作家・上原二郎(安藤)らが、さまざまな人間模様を織りなす。
純白のドレスで登場した宮本は「大学が文学部で、授業で太宰治さんの本も研究していました」という。また、映画出演のオファーを受けて改めて「斜陽」を読み返したそうで、「かず子や上原だけではなく、一人一人の人生が、闇だけではなく光も描かれていてとても魅力的に感じました」と感想を述べる。
オファーを受けたときは「まさか」という驚きがあったというが、徐々に実感がわいてきたという宮本。この日は太宰の忌日である桜桃忌。会見前、宮本も太宰のお墓参りをしたそうで「若い方から年配の方まで、多くの方がお墓参りをしている姿を見て、改めてファンの多い方なんだなと実感し緊張しましたが、同時に頑張ろうと思いました」と意欲を見せていた。
上原役の安藤は「まだ撮影前なので、しっかりと役作りはできていない」と正直に語ると、友人である映画監督で写真家の蜷川実花が監督を務めた『人間失格 太宰治と3人の女たち』を引き合いに出し「あの作品には勝ちたいですね」とユーモアを交えて語っていた。
また初共演の宮本の印象を聞かれた安藤は「いま撮影で湘南新宿ラインに乗っていると、恵比寿駅で(宮本が出演している)チョーヤの梅酒の広告を見るのですが、ずっときれいな人だなと思っていました」と宮本の顔を良く見ていたことを明かすと「その方とご一緒できるなんて、不思議な縁ですね」と語っていた。
撮影は2021年10月7日にクランクインし、公開は来年の桜桃忌である2022年6月19日近辺を予定しているという。(磯部正和)