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音を立てたら即死再び…『クワイエット・プレイス』続編のカギは子供たち

子供たちの成長も描かれるという『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
子供たちの成長も描かれるという『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』 - (C) 2021 Paramount Pictures. All rights reserved.

 スマッシュヒットとなった映画『クワイエット・プレイス』(2018)の続編『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』の公開が各国でスタート。コロナ禍において全米興行収入1億ドル(約110億円)を突破するヒットを記録している。前作の成功により、一夜にしてハリウッドで注目される監督の1人になったジョン・クラシンスキーが、再び監督と脚本を担当した続編について語った。

前作で一家の父親を演じたジョン・クラシンスキー監督

 前作の直後という設定で、夫を失った主人公エヴリン(エミリー・ブラント)が、赤ん坊を抱え、息子と聴覚障害を持つ娘と共に、音に反応して人を襲うクリーチャーに支配された世界を旅する本作。続編についてクラシンスキー監督は「作るつもりは全くなかったから、最初は乗り気じゃなかった。ただお金儲けをしたくてやっていると思ってほしくなかったんだ」と正直に告白する。

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 続編の難しさも承知しており、「すでにゲームのルールを全て知っている観客にどのように感心してもうらうのか、というところにあった。何か新しいことをやったり、変えたりしないといけないんだ」とクランスキー監督。それだけに本作には、冒頭から大きな見どころが用意されており「オープニングにさえサプライズがあるんだよ」と明かす。

 「あのクリーチャーたちがどこからやってきて、(襲撃の)1日目はどんな様子だったのか。そうしたバックストーリーのアイデアは常に抱えていた。1作目に入れなかっただけでね。それと、常にこの世界で生き残っている(エヴリンたち以外の)他のキャラクターはどういう人たちなのか、ということも考えていたんだ」。 

 俳優としても活躍するクランスキー監督は、主演ドラマ「トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン」の撮影中もアイデアを練り続け、ディテールをまとめていた。そのため、実際の脚本作業は取り掛かってから3週間ほどで済んだという。
 
 続編の主演で妻のエミリーも超多忙の身。そのため撮影は、家族団欒の場にもなっていたようだ。「エミリーが(別作品を)撮影しているときは、彼女が子供たちを連れて行って、僕が現場を行ったり来たりする。でも、僕たちが一緒に撮影しているときは、子供たちみんなと一緒にいられる。どんなストレスがあっても、彼らが夢中になっている(子供向けアニメ)『パウ・パトロール』や『ペッパピッグ』について話している時は本当に楽しいよ(笑)」と優しい父親の顔を見せた。

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 自身も父親であることは、本作でも大きなポイントだったという。「1作目は親であることについての映画だった。子供たちに、自分と一緒にいれば安全で大丈夫だと約束するけれど、それを破ることになるといったね。親であれば、いつかそうした子供との約束を破ることになる。僕たちの映画では、普通より少しドラマチックに破ることになるけど(笑)」というクランスキー監督。そのうえで、本作のテーマを「今作は、子供たちが父親を失った事実にどう対応するのかということ、そして自立して大人になる過程を描くんだ。彼らはヒーローになるんだよ。スティーヴン・スピルバーグ映画の子供たちみたいにね」と説明。実際、スピルバーグの影響が大きく感じられるのが今作の特徴でもある。

 スケールもアクションもより大規模となり、恐怖度も増した今作だが、観客の感情に強く訴える濃密なドラマは前作と同じ。今回の成功を受けて、すでにクラシンスキーのアイデアを『MUD マッド』のジェフ・ニコルズ監督・脚本で映画化する3作目も決定しており、今後この世界がどう拡大していくのか期待が高まる。(吉川優子)

映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は全国公開中

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