米倉涼子、失敗を恐れない理由 強い女性像へのこだわり
マーベル屈指の人気を誇る女スパイ“ブラック・ウィドウ”ことナターシャ・ロマノフの声を担当してきた米倉涼子。7月8日に公開を迎える、初の単独映画『ブラック・ウィドウ』を前に、ブラック・ウィドウ役への思いと、強く自立した女性を演じることへの思いを語った。
孤独な暗殺者だったナターシャは、なぜアベンジャーズの一員として戦い続け、多くファンに衝撃を与えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)の決断に至ったのか。その背景につながる過去が描かれるという本作。米倉は「『アベンジャーズ』シリーズは、それぞれが個々のパワーを合わせて戦うことが多いけれど、今回はナターシャが主人公。ネタバレになってしまうので詳しくは話せませんが、幼い頃から彼女を追っていくストーリーなので、アベンジャーズへの思いがすごく伝わってくると思いますし、ブラック・ウィドウのファンの方々には、特に楽しんでもらえると思います」と語る。
スカーレット・ヨハンソンが主演を務め、女性監督のケイト・ショートランドがメガホンを取った本作。それだけに米倉は、作品から女性のパワーを強く感じたという。「近年、ハリウッドでは#MeTooムーブメントなどが起きましたが、この映画も、そうした女性たちの生きづらさを、きちんと描いている印象を受けました。同時にブラック・ウィドウには、つらい境遇や立場に立たされた女性たちを勇気づけたり、助けるかっこよさがあって、演じていても楽しかったですね」
これまで米倉自身も、主に強くたくましく生きる女性を数多く演じてきた。寄せられるオファーのなかには、弱さを前面に押し出した役柄もあったが、自らの強い信念に基づいて、強いキャラクターにこだわってきたという。「世間の方からは、強く凛として、生足でヒールというイメージを持っていただいていると思うんです。もちろん、弱さを前面に出した役についていろいろと考えたこともあったのですが、今のイメージは、自分の生きてきた人生があって作り上げられたもの。だからこそ私は、これからも強い女性を演じ続けていきたいんです」
昨年4月には個人事務所デサフィオを立ち上げ、役者としても大きな挑戦に挑んだ。「もちろん不安はありますが、失敗してもまたひとつ大きくなれる自信があるんです。失敗もしないと人生を謳歌(おうか)できない。危ない橋を渡ることによって、また先が見える。一度の人生だからこそ、平らな道を歩かずにデコボコな道を歩いた方が、いろんな思い出と向き合えるようになると思っています」という米倉は、これまで出会ってきた役柄と同じように、時に悩みながらも、前を向いて女優人生を突き進む。「その経験は、芝居だけではなくいろいろな事に役立っていくはず。だからこれからも、失敗を恐れずに生きていきたいと思っています」
2012年の『アベンジャーズ』以来、ブラック・ウィドウと長く向き合い続けたことで、ナターシャの物語にさらに深く寄り添うことができたという米倉。アベンジャーズ初期メンバーとして戦ってきた彼女の壮大な物語は、いかにして締めくくられるのか。(森田真帆)
映画『ブラック・ウィドウ』は7月8日より劇場公開、7月9日よりディズニープラス プレミア アクセス公開(※要追加料金)