佐藤健、バレないかヒヤヒヤ!難しい竜役で「非常に不安でした」
俳優の佐藤健が6日、都内で行われたアニメーション映画『竜とそばかすの姫』の完成報告会見に出席し、“竜”役を務めることがついに発表された心境や、わずか1日で終わったアフレコ現場について語った。
本作は、『サマーウォーズ』『未来のミライ』などの細田守が監督を務めたアニメーション映画。“もうひとつの現実”と呼ばれる巨大インターネット空間の仮想世界<U(ユー)>を舞台に、心に傷を抱えた女子高生・すず(中村佳穂)が、大切な存在との遭遇を通して成長していく姿を描く。この日の会見には中村や佐藤、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、細田監督も来場した。
<U>の世界で大勢から忌み嫌われている謎の存在“竜”のボイスキャストを務める佐藤は、本日までシークレットにされていたため、「予告編を見ながらヒヤヒヤしていました。僕は自分の声なので、どう聞いても俺じゃん! バレないかな……と思いながら過ごしていました」と苦笑い。
そんな佐藤の起用について、細田監督は「竜の声を演じるには大きな表現力が必要だと思っていたので、キャスティングがはじまる前から、健くんにお願いするしかないと思っていました。これができる人は日本でほんのわずかで、そのうちの一人が健くんだと思っていました」と説明。しかし佐藤は、「複雑な心を持った難しい役どころなので、自分に務まるのか非常に不安でした」とオファーを受けた当初の思いを語ると、「(監督の)気持ちに応えたいのは山々ですが、普段とは違うアフレコ作業でもあるので、どうしていいのかわからなくて難しかったです」と渋い顔を見せた。
また、「竜の声の想像がつかず、監督に『竜っぽい声なんですかね?』と聞いたら、『竜っぽい声でお願いします』と言われたので、僕が思う竜っぽい声でやりました」と抽象的に話して会場の笑いを誘う佐藤。「微調整するので細かい指示をください」とも伝えたそうだが、「一回目から『そんな感じで』と言われたので、最後まで本当かな? 心配だな……と思っていました」と当時の心境を打ち明けた。とはいえ、細田監督は十分満足だったようで、「一言目から感がよくて、さすが! と思いました。いきなり正解だと思いビックリしました」とその手腕に舌を巻いていた。
昨日、本作を鑑賞したという佐藤は「昨日の余韻が今も続いているくらい素晴らしかったです。細田監督の真骨頂であり、新境地を見せていただきました。細田監督が得意とされるインターネット世界ですが、表現の仕方が新しくて、映像が美しいだけで人間はここまで胸が震えるんだと思いました。そこに中村さんのステキな歌声が重なり合っていくので、中盤から涙腺が刺激されっぱなしの状態。スクリーンから脳に直接“感動光線”を浴びせられているような映画体験でした」と興奮を隠さない。
中村も「圧倒的」と驚愕すると、「今までの(音楽)活動と違う面を見せられるか」という挑戦が刺激的だったと吐露。細田監督は、「世の中に歌が上手い人はたくさんいるけど、中村さんが特別なのは、歌を大事にしていて、歌に愛されていて、歌と中村さんが近い存在になっているところ。そういうのは外国人にも『すごくいい歌』と伝わる」と感激していた。(錦怜那)
映画『竜とそばかすの姫』は7月16日より公開