『ブラック・ウィドウ』レッド・ガーディアン俳優、遅咲きブレイクに感謝
マーベル・スタジオ最新作『ブラック・ウィドウ』で、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)の父、レッド・ガーディアン/アレクセイを演じたデヴィッド・ハーバーが、マーベル映画参加の喜びと、自身のキャリアについて、各国メディア向けの合同インタビューで語った
レッド・ガーディアンは、ロシアがキャプテン・アメリカに対抗するために生み出したスーパーソルジャー。本作でナターシャの味方となる偽りの家族のなかでも、父として、彼女と妹のエレーナ(フローレンス・ピュー)の過去に対して、大きな責任を負うキャラクターだ。ハーバーは「アレクセイは、正しいことをやろうとして、結局は自分に都合の良いことだけをやってしまうような複雑な男だ。いろんな矛盾があって、そこが良いんだ。今作で彼は、他の人の手助けをすることを学ぶ。間違った判断をしてしまった過去を償おうとするんだ」と語る。
その背景から、劇中ではキャップのことを妙に気にする態度も見せるが、ハーバーは「彼は、自分が作り上げた妄想のなかで生きているんだ」と分析する。「僕は、彼とキャプテン・アメリカは一度も会ったことがないと思っている。冷戦のなかで育つうちに、キャプテン・アメリカに対する妄想を作り上げたのではないかとね。面白いのは、彼が自分をアベンジャーズと同等だと思っていること。これまで、誰も彼の名前を出さなかったのに『俺はずっと話題だったよな』っていう態度だ(笑)。アレクセイはただ嫉妬しているんだと思う。ほかのみんなが有名なのが、面白くないんだ」
どこか憎めない、ユーモアあふれるアレクセイのキャラクターは、俳優陣や監督とのディスカッションを経て生まれたという。「すばらしく良く書かれた脚本だったけど、準備期間中にみんなで細かく読み直して、できるだけパーソナルな要素を加えていった。僕ら(役者)が映画に持ち込めるのは、家族のハート。それが大事だった。マーベル映画では、多くのことが自分でコントロールできる範囲を超えている。たとえばアクションがそうだけど、スタントマンが最高の形でこなしてくれる。だけど、映画のハートは僕らが持ち込まないといけない。こんな大型予算の映画なのに、細かく僕らの意見を尊重してもらえたよ」
現在46歳のハーバーは、2016年にスタートしたNetflixドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の警察署長ホッパー役でブレイク。子供たちにも、すっかりメジャーな存在となった。「僕は遅い時期に有名になった。40代になってからね。中学校なんかの前を通るときはすごく怖いよ。すぐ止められるから(笑)。けど、本当に素敵なことだ。僕には今、義理の娘が2人いる。そのうちひとりは『ストレンジャー・シングス』の大ファンだ。この映画も公開されたら、2人に観てもらいたいんだ」
「たくさんの映画で助演を務めてきたけれど、『ストレンジャー・シングス』のおかげで、これまでになかった役もやらせてもらえるようになった。ある意味で、キャリアが作られたようなものだ。さらに、マーベルファミリーに入れてもらえた。今、僕のキャリアはとても恵まれていると感じている。明日はどうなるかわからないけれど、今は最高の気分だ(笑)」
「ストレンジャー・シングス」では、ホッパーがソ連に関わる展開が描かれたこともあり、レッド・ガーディアンとのつながりが話題になったこともあったという。「一時期、インターネット上で『ホッパーはどうやってロシアでスーツを見つけたんだ』って話が出回っていたよ」と苦笑するハーパー。「偶然にすぎないけど、そのせいで変えなくてはいけなかったこともある。アレクセイは長髪でヒゲもじゃ。だから『ストレンジャー・シングス』では、頭を剃って、ぜんぜん違うルックスにしなきゃならなかった」
ちなみに「言っておくけど、アレクセイの将来については何も知らないよ」というハーバーだが、「ただ、自分としてはロシアとアメリカの対決をもっと見たいなと思う」とも。「マーベル・スタジオは僕が思いつくことなんかよりも、ずっと賢いことを考えてみせる。ただひとつ言えるのは、僕がアンソニー・マッキーのことを大好きだってこと。彼はすばらしい俳優だし、キャプテン・アメリカとレッド・ガーディアンには、バディコメディーをやれる潜在性があると思っているよ」(編集部・入倉功一)
映画『ブラック・ウィドウ』は映画館 and ディズニープラス プレミア アクセスにて公開中