佐藤健、中村佳穂の才能を大絶賛「天性のもの」
映画『竜とそばかすの姫』初日舞台あいさつが16日に都内で開催され、主人公・すず/ベルの声を務めたミュージシャンの中村佳穂と、物語のキーパーソンとなる竜の声を演じた佐藤健が登壇。佐藤は、演技初挑戦となる中村の唯一無二の才能を大絶賛していた。舞台あいさつには、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、そして現在開催中の第74回カンヌ国際映画祭に参加している細田守監督が生中継で参加した。
本作は、『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』などで知られる細田監督の最新作。高知の田舎で暮らす17歳の女子高生・すず(中村)が、全世界で50億人以上が集うインターネット空間の仮想世界「U」で大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ進もうとする姿を描く。
まだ本編が完成していないなかでの収録だったという佐藤。試写で完成作を観た際には「別格の映画体験でした」とそのクオリティーに驚いたことを明かすと、「それが海外で認められ、こうして公開できたこと、そしてそんな作品の歯車になれたことが嬉しかった」と笑顔を見せる。
心に大きな傷を抱えた女子高生・すずと、仮想世界でカリスマ的な人気を誇る歌姫ベルという2面性を見事に演じ分けた中村は、本作が声優初挑戦。共に収録を行った佐藤は「素晴らしい表現者でした。歌うようにセリフを言い、語りかけるように歌を歌う方。息遣いがすごく印象的。決して真似できない天性のもの。ご一緒できて光栄でした」と絶賛する。
一方の中村は「もちろん佐藤さんは存じ上げていましたが、どんな方なのだろう」と不安に近い感情もあったというが、「演じることが初めてのわたしに、対等というとおこがましいのですが、一人の演じる人として接してくださいました。改めてファンになりました」と佐藤の真摯な態度に感動したという。
またこの日は、現在フランスで開催中の第74回カンヌ国際映画祭「カンヌ・プルミエール」部門でワールドプレミア上映された本作のため、現地に赴いている細田監督が中継で舞台あいさつに参加。劇場を訪れたファンに向かって「劇場に来ていただいてありがとうございます。日本で初日を迎えることができたのは、応援してくださる皆さんのおかげです」と感謝を述べる。
現地時間15日に行われたワールドプレミアで、上映後約14分間に渡りスタンディングオベーションが起こったことが話題になると、連続テレビ小説「おちょやん」に出演していた成田は「14分間といったら、ほぼ朝ドラ1話分ですよね」と驚きを見せる。細田監督は「そう考えると長いね。手が痛くなりそうだよね」とおどけると「あれほど長くスタンディングオベーションをしていただいたのは初めてでした。でも本当に観てくださった方が、気持ちを伝えたいという思いが拍手に乗っているように感じました。感激しました」と貴重な体験だったことを明かしていた。(磯部正和)
映画『竜とそばかすの姫』は公開中