中山優馬主演『189』に吉沢悠、寺西拓人ら出演!
中山優馬が主演を務める2021年冬公開の映画『189(イチハチキュウ)』の追加キャストが発表され、吉沢悠、寺西拓人らの出演が明らかになった。
実在の事件から着想を得た本作は、児童相談所虐待対応ダイヤル“189”に助けを求める小さな命を救うため、児童虐待対策班が奔走する姿を描くヒューマンドラマ。『ゆずりは』などの加門幾生監督がメガホンを取った。
主演の中山が新米児童福祉司・坂本大河、女優の夏菜が弁護士の秋庭詩音を演じることがすでに明かされているが、このたび追加キャスト陣が発表に。娘に虐待をしている星羅の父親・増田勝一役は吉沢悠が担当。中山演じる大河と敵対する役どころとなる。そんな勝一の妻で自身も娘の虐待に加担してしまう増田典子役には、女優だけでなく脚本家としても活躍する灯敦生。そして、映画『生きちゃった』などの子役・太田結乃が物語のキーパーソンである娘の星羅にふんする。
また、大河の上司である多摩南児童虐待対策課課長・安川信弘役で前川泰之、大河の祖父・坂本清役で平泉成、上越妙高児童相談所所長・青島守役でモノマネタレントのコロッケとしても活躍中の滝川広志が出演。寺西拓人は、大河が訪問するアパートにてネグレクトの疑惑がある男・木村来夢役で同じ事務所の中山と共演を果たす。(須田璃々)
コメント全文
■吉沢悠
役柄とはいえ虐待をする父親を演じさせていただいたので、加門監督とは毎撮影、感情や行動心理など入念に話し合いをしました。
今もどこかにそのような家族がいるのかもしれないという緊張感を持って撮影に挑んだので、ある一つの家族の形として表現しようと思いました。
例えば隣に住んでいる人が、友達が、幼い子供が、と思うと本当に胸が苦しいですし、1人でも多くの人に「189」という助けになるかもしれないダイヤルを知って欲しいです。
共演させて頂いた中山さんはとても真摯に役に向き合う方で、それでいて全体を見渡せる主役でした。
本作は、自分の中で、準備期間の中でできる最大限の事をして撮影に挑んだ映画です。もしかしたら目を覆いたくなるくらいの表現もしているかもしれません。
でも「189」が生まれた現実を多くの人達に知ってもらう必要な映画だと思っています。
まずは本当に「189」って何? って事を知って欲しいと思います!
■前川泰之
児童虐待というテーマを作品にする事で、綺麗事にしたくないという想いが強くありました。苦しんでいる子供達を助けたいんだ! という気持ちを一番大切にしながらも、児童相談所職員だからこその苦悩や弱さもキチンと表現できるように心掛けたつもりです。
私も父親ですので、虐待のニュースを見る度に心を痛めていましたが、何も自分には出来る事が無かったので、今回のお仕事をいただいた時は有り難い気持ちと、責任感を共に強く感じながら臨みました。作品に入るに当たり色々勉強しましたが、私達が目にする虐待のニュースは、ほんの一部でしかなく、身の回りに少なからずあるのかも知れない、見逃しちゃいけないという気持ちがとても強くなりました。難しい題材の作品でしたが参加出来る機会をいただいてとても感謝しています。
主演の中山さんは、現場で浮つく事なく、とても真摯に取り組む方だなぁと見ていました。中山さんの持つ誠実さや、内に秘めたる闘志みたいなものが今回の役にとてもマッチしていて、私も役柄としての関係性が築きやすかったです。真っ直ぐな眼差しが印象的でした。
『虐待』という踏み込みにくい、触れたくないようなテーマではありますが、実状や課題がとても分かりやすく描かれています。とにかく知っていただく事が大切です。難しく考えず、観て沢山の人と沢山話していただけたら嬉しいです。是非ご覧ください。
■平泉成
実際にあった話だったりするので辛い話なんですけど、こういうものを作品にするということは大切なことだと思いました。「189」という意味を知っている人って100人聞いたら何人いるのか……私もお恥ずかしながら、今回出演するまで知らなかったので、こういった作品を提示することによって「189」の意味が皆さんに浸透していけたら良いなと感じます。
私にも孫がいますので、こんなに小さな子供達が実際に虐待されているのかと思うと台本読んで胸が痛くなりました。
撮影現場は、とてもテキパキしていてやりやすい環境でした。
中山優馬くんとは、今回初めての共演となりまして、とても立派な俳優さんだなと思いました。
加門監督とは、30年以上前に『その男、凶暴につき』(北野武監督/1989年)という作品でご一緒させて頂いております。当時は助監督だったので、助監督だった頃にお仕事させて頂いた方の監督作品に出演させて頂くのは感慨深いです。
ぜひこの映画を見て、少しでも多く虐待が無くなって平和な世の中になったら良いなと思います。
■灯敦生
いろんな感情を麻痺させながら、母性愛だけ身体の端っこで何とか繋ぎとめているような典子……この役に挑むワクワクや自信は正直なくて、演じるあいだ、典子を取り巻く状況から抜け出せないことがただ苦しかったです。
それでも二度目の加門組、加門監督に役者としての転機を頂き、話し合いを重ねながら、典子を生きてゆくことができました。
一方現場は、凛として真摯な中山座長をはじめとっても和やか。夫・勝一役の悠さんは、お人柄や姿勢など全ての面で、こんなに素敵な先輩いらっしゃるのか、と大尊敬でした。アクション練習から仲良くしてくれた可愛い結乃ちゃん、いえっ結乃さんのお芝居がまた本当に凄まじく、ずっとお二方に救われていました。
大変な時期の撮影でしたが、心を寄り添わせて下さったスタッフさん、素晴らしいキャストの皆さんと、小さな命を守ろうとする大きな思いの『189』という作品に参加できて光栄でした。
いちはやく、届くように願っています。
■太田結乃
撮影中に心がけたところは、虐待を受けているシーンがあるし、お父さんの事を怖いし好きじゃないと思う役だったので、撮影期間中はお父さん役の吉沢さんと楽しい時間を作らないようにしていました。優しい吉沢さんを見ないように、怖いイメージのまま過ごしました。
最初お話を聞いた時は私に出来るか心配でした。虐待の意味も分からないまま台本を読んでいたので、びっくりしました。とにかく監督さんのお話しをきちんと聞いて頑張ろうと思いました。虐待を受けるためにアクション指導があったり、顔に沢山メイクで傷を作ったり、初めてのことばかりでしたが色々と勉強になりました。
中山さんは私と星羅に本当にいつも優しくしてくれました。カッコいいし学校の先生だったらいいなぁと思っていました。吉沢さんは、撮影中かなり怖かったです。でも辛いシーンの後に「すごく良かったよ!」と言ってくれました。それが嬉しかったです。この映画では、合間の時間でも離れている事が多く、楽しいシーンがなかったので、今度は優しい吉沢さんでまたお仕事したいなぁと思います。灯さんとは一緒にアクションのお稽古に行ったりしましたが、とても優しくてきれいなお姉さんでした。やっぱり灯さんとも悲しいシーンや辛いシーンが多かったので、また笑うシーンでお仕事したいなぁと思います。
星羅みたいに辛くて苦しい毎日を過ごしている人がいなくなるように願いを込めて頑張りました。たくさんの人に観てほしいです。よろしくお願い致します。
■滝川広志
コロッケが出ないようにと心がけました。
出演出来ることがうれしいです。加門監督の思いに心が動きました。
主演の中山さんの演技が素晴らしかったです。きれいな顔して顔が小さいとおもいました。
現実の話なんです。今すごく大事な話ですので沢山応援してください。
■寺西拓人
出演が冒頭でしたので、提示する意味でも、とにかくどうしようもない人を意識しました。監督からの指示もあり、「急にキレ出す若者」感を大事にしました。
映画への出演が今回初めてだったので、映画というものにたくさん救われて、たくさん笑わせてもらってきた人生なので、最初にお話を聞いた時はとにかく嬉しかったです。全てのことが初めてではありましたが、変に気負わず取り組むことができました。勉強になりました。
主演の優馬くんとは他の現場でも何度かご一緒させていただいていて、こうして映画でも共演させていただけたのは嬉しい限りです。撮影に入る時も「自分でやりたいようにやったらいいよ」と言って、僕がお芝居しやすい環境にしてくださりました。感謝。
手放しでハッピーになれるような作品ではないかもしれませんが、ぜひ観て欲しいです。この作品を通して、誰かの意識が少しでも変わることを祈ります。