映画『サマー・オブ・ソウル』クエストラブ監督による特別映像が公開
ドキュメンタリー映画『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』(8月27日公開)から、アミール・“クエストラヴ”・トンプソン監督が本作に込めた想いを明かす特別映像が公開された。
本作は、1969年、あの“ウッドストック・フェスティバル”と同じ夏、ニューヨークで約30万人を集めたもう1つの幻の音楽フェス、“ハーレム・カルチュラル・フェスティバル”の映像を蘇らせたドキュメンタリー。約50年もの間、誰の目にも留まることがなかったライブ映像が、4度のグラミー賞受賞者であり、ザ・ルーツのドラマー兼DJとして、世界的な人気を誇るクエストラヴ監督の手によって復活した。
公開された特別映像では、まもなく公開される日本へのメッセージから始まり、実際にハーレム・カルチュラル・フェスティバルが行われた公園を訪れたクエストラブ監督が、「1969年と現在に類似点が多いことに気がついた。当時起きていたことの多くが50年後にも起きている」と語る。続けて「これは日の目を見るべき映像だ。当時の黒人社会を巡る状況が分かるからだ。政府や警察が市民をどう扱ったか、目の当たりにできる。そして発言する黒人の姿を」と強く訴えかけている。
ライブ映像に重点を起きながらも、アメリカ現代史ともいえる貴重な記録映像を織り込むことで、Black Lives Matterをはじめ、2021年の今も続く社会情勢に一石を投じている本作。「音楽はメッセージを伝える手段だ」というひと言に本作に込められた想いが集約されている。(高橋理久)