没後40周年!ルネ・クレールの名作5作品が特集上映
2021年に没後40周年を迎えるルネ・クレール監督の5作品を上映する映画祭「ルネ・クレール レトロスペクティブ」が10月15日より新宿武蔵野館ほかにて開催される。
4Kデジタル修復で蘇る!「ルネ・クレール レトロスペクティブ」予告編【動画】
26歳の若さで写真家マン・レイや画家マルセル・デュシャン、音楽家エリック・サティたちとシュルレアリスム短編映画『幕間』(1924)を発表したルネ・クレール。映像と音楽の大胆なコラボレーションを試み、世界を熱狂させた。以後、無声映画からトーキー、モノクロからカラー、ワイド・スクリーンへと映画技術が目まぐるしく発展していくなかで、ハリウッドへも渡り、第一線の監督として活躍し続けた。
今回、40周年というメモリアルイヤーに上映されるのは、4Kデジタル修復で鮮明なクオリティーで蘇った1930年代のトーキー初期に作られた5作品。今でも歌い継がれるシャンソンの名曲を主題歌に取り入れ、パリの下町で花咲く若者たちの恋の行方を描いた『巴里の屋根の下』(1930)、『巴里祭』(1933)、ドタバタした動きによる笑いを随所に散りばめた『ル・ミリオン』(1931)、貧富の差が広がる社会への批判を込めながら、男たちの友情と恋を描いた『自由を我等に』(1931)、そして伝説的シャンソン歌手ジョルジュ・ブラッサンスとの幸運な出会いにより生まれた人情喜劇『リラの門』(1957)がラインナップされている。
公開されたポスタービジュアルでは『ル・ミリオン』の一場面が使用され、“翼をなくした天使”と呼ばれたアナベラが可憐にチュチュを着て、恋人に寄り添う姿が印象的。予告編映像は『巴里の屋根の下』のポーラ・イレリが目覚まし時計を止めようと間違って靴のかかとを触るキュートな場面から、タイムスリップしたかのように1930年代のパリの下町の世界へ。5作品の名曲と名シーンが次々と登場する仕上がりとなっている。(編集部・大内啓輔)