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ジョニー・デップのスキャンダルで『MINAMATA』米公開が決まらず?監督が配給を批判

映画『MINAMATA-ミナマタ-』より
映画『MINAMATA-ミナマタ-』より - (C) Larry Horricks

 映画『MINAMATA-ミナマタ-』のアンドリュー・レヴィタス監督が、北米配給のMGMは同作を「葬ろうとしている」と批判し、同社に再考を促しているとDeadlineが報じた。

【画像】ジョニー・デップの相手役の美波

 日本における水俣病の惨事を世界に伝えた、写真家ユージン・スミスアイリーン・美緒子・スミスによる写真集を基にした本作。ジョニーが製作及び主演を務め、美波真田広之國村隼加瀬亮浅野忠信ビル・ナイらそうそうたるキャストが集結している。昨年2月のベルリン国際映画祭でお披露目後、MGMが秋に北米配給権を獲得し、もともとは今年2月に劇場とVODで同日公開される予定だった。

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 しかしMGMによる米配給権獲得のニュースが出た直後、ジョニーは自身のDV疑惑をめぐる名誉毀損訴訟で敗訴。このことは、人気シリーズ『ファンタスティック・ビースト』からの降板を求められるなど彼のキャリアに大きな影響を与え、『MINAMATA-ミナマタ-』が予定通りに北米公開されることもなく、現在も公開の目途は立っていない。

 Deadlineは、レヴィタス監督が現地時間26日にMGMと映画の後援者たちに送ったという手紙を入手。そこには「約1年前、ベルリン映画祭で上映された本作を観たMGMは北米配給権を購入しました。MGMは、最悪の産業公害事件の一つである水俣病の何千人もの犠牲者の苦しみを明るみに出したいと熱意を持っていました。長い間、社会から疎外されてきたこのコミュニティーが望んでいたのはただ一つ、罪のない人々が自分たちと同じように苦しむことのないよう、歴史を影から出すということ。MGMとのパートナーシップによって、何十年にもわたるその願いがようやく実現したように思えました。この映画はすでに世界で成功裏に公開されているのにもかかわらず、MGMが“この映画を葬る” (これは買い付け部門のトップであるサム・ウォルマンの言葉です)ことに決めたと先週知った時の、彼らのショックを想像してください。MGMはこの映画に出ている俳優の個人的な問題が、MGMの評判を悪くする可能性を懸念したのです。彼らの視点では、被害者やその家族のことなど二の次だったのです」などとつづられている。

 この手紙の件について聞かれたMGMは「この映画は、劇場とVODの同日公開作を扱う MGMの一部門、アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ(AIP)を通して公開するために獲得しました。『MINAMATA-ミナマタ-』は引き続きAIPの待機作の一つであり、現時点ではアメリカでの公開日は決まっていません」とだけコメントしている。日本公開は9月23日。(編集部・市川遥)

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