ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』ピラグアおじさんに注目!
映画『イン・ザ・ハイツ』で「ピラグア~♪ ピラグア~♪」と高らかに歌うピラグア(プエルトリコのかき氷)売りのおじさん、ピラグア・ガイを演じたのは、原作・作詞・作曲・音楽・製作を担当したミュージカル界の寵児リン=マヌエル・ミランダだ。リンがインタビューに応じ、キャスティング秘話とこの役に込めた思いを明かした。
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ブロードウェイ版では主人公ウスナビ役も務めたリンだが、映画版では主演を「ハミルトン」(リンが手掛けた大ヒットミュージカル)で息子役を務めたアンソニー・ラモスに譲っており、自身はもともと出演する予定ではなかったと明かす。「僕は最後にキャスティングされたんだ(笑)。最初は出たくなかったんだよね。これはジョン(メガホンを取った『クレイジー・リッチ!』のジョン・M・チュウ監督)のバージョンだから、僕たちのバージョンとは分けるべきだと思って。でも結局、撮影現場には毎日いたんだけど」と笑ったリン。チュウ監督が作り上げているものには日々、誇りを感じていたという。
「そうしたら、キアラ(脚本・製作のキアラ・アレグリア・ヒューディーズ)とジョンが、僕にピラグア・ガイを演じるように言ったんだ。キアラが言ったのは、『もしあなたが書いた作品じゃなかったら、出してくれって懇願しているわよ。一体何をやっているの?』ということ(笑)。そして、彼女は正しかった」
こうして最後の最後でピラグア・ガイ役に決まったリンは、この役を自身の祖父にささげようと決めたのだという。「僕のおじいちゃんは『イン・ザ・ハイツ』がブロードウェイで上演された1週間後に亡くなって、その成功を見られなかったし、もちろん『ハミルトン』を見ることもできなかった。全ての素晴らしいことは、まだ水平線の彼方にあったんだ。だから、ピラグア・ガイとして、僕はおじいちゃんの格好をすることにした。彼のシャツを着て、彼の眼鏡を首に下げ、彼のカウボーイ小説を持ち歩いた。彼はそれを後ろのポケットにいつも入れていたんだ。僕の演技はおじいちゃんへのトリビュートだよ」と亡き祖父への思いを愛情いっぱいに語っていた。(編集部・市川遥)
映画『イン・ザ・ハイツ』は公開中