愛憎サスペンス『愛のまなざしを』特報公開
映画『愛のまなざしを』(11月12日公開)の特報映像が公開された。併せて場面写真5点と、キャストの杉野希妃、斎藤工のコメントも公開された。
本作は、万田邦敏監督が『UNloved』『接吻』に続き共同脚本・万田珠実と3度目のタッグを組んだ、愛の三部作最終章。亡き妻への思いを捨てきれない精神科医・貴志(仲村トオル)と、患者としてやってきた綾子(杉野)の愛憎を描く。貴志の義弟・茂を斎藤、6年前に亡くなった貴志の妻・薫を中村ゆりが演じ、ドラマ「おじさんはカワイイものがお好き。」で注目を浴びた藤原大祐が貴志の息子・祐樹役で映画デビューを飾っている。そのほか、片桐はいり、ベンガル、森口瑤子らが脇を固める。
特報には、貴志と綾子が求め合う様子や歯車が狂っていくさまが収められている。杉野と斎藤のコメントは下記の通り。(清水一)
杉野希妃
『愛のまなざしを』は、実体のないものに囚われ、愛を渇望する人たちの話です。不器用な生き方しかできない綾子という人物を演じながら、彼女を激しく嫌悪し、同情し、共感しました。
万田監督のきめ細やかな演出に従うにつれ、綾子は飢えた獣なのだと実感し、理性を剥ぎとるよう努めました。彼女の弱さと強さは私自身のものでもあり、そのことがまるで鏡のように反射して撮影を終えてもなお自分を苦しめました。愚かな女だと言ってしまうのは簡単だけれど、愚かさこそが人間の本質かもしれません。コロナ禍の今、彼女の切実さをやっと愛せるような気がしています。
愛のまなざしをぜひ劇場で感じてください。
斎藤工
万田邦敏監督の唯一無二の映画文法の元生まれた、愛の三部作最終章である本作に寄り添えた事は私の大いなる財産です。
曖昧で不確で奇妙な人間と言う生き物の生む愛憎と言う普遍的な物語。
そこに映し出されるのは他人事なのか、はたまた我が事なのか。
(感染対策を万全にした上で)
劇場で出逢って浸って頂けたら幸いです。