志尊淳「どうか、どうか生きてください」今を生きる人々にエール
俳優の志尊淳が9日、都内で行われた映画『人と仕事』の公開記念舞台あいさつに森ガキ侑大監督と登壇し、難しい状況の今を生きる人々にエールを送った。
本作は、新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで働くエッセンシャルワーカーなどをリポートしたドキュメンタリー。志尊が有村架純とともに学生やシングルマザー、保育士や農業といった職業に従事する人たちのもとを訪れインタビューを行い、コロナ禍における社会の一面が映し出されていく。公開記念のこの日、満席の会場を見渡すと「人前に立たせてもらう機会は本当に久しぶりなので緊張していますが、最後までよろしくお願いします」とあいさつ。
本作は、新型コロナウイルスの影響を受けて、当初の予定だった劇映画の制作が撮影困難になったことから誕生した経緯がある。そのことについて志尊は「劇映画がなくなってしまったことはショックでしたが、作品を届けられる機会をいただいたことはありがたい。救いたいとか、伝えたいということよりも、僕もガキさんも何をしたらいいかわからない状態だったので、とにかくやれることをやってみようと、できる限りのことはやりたいと思いました」と当時を振り返った。
そんな熱い思いを抱いて取り組んだ本作。志尊は「普段、自分の作品を観るときは、(役を演じているので)物語として観ることができますが、今回は“志尊淳”(として出演しているの)で主観性を持って観てしまいました。作品全体がどうというのではなく、インタビューをさせていただいた方々が、この作品に出てよかったと思えているのかな? という目線で観ていました」と鑑賞時の心境を明かした。
撮影中はいろいろな感情が交錯し、「迷ったし、続けることができないかもしれないという瞬間があった」という志尊。貴重な体験を経た今は「いろいろな悩みを抱えながら頑張って生きている人はたくさんいて、僕もその一人だと思います。この作品を通して、(それぞれが抱える思いを)共有できたことが幸せです」としみじみと語った。
最後に、志尊は「コロナや地震など災害がいろいろありますが、どうか、どうか生きてください。またお会いできる日を楽しみにしています」と優しくも力強いエールを送った。(錦怜那)