「聖闘士星矢」新田真剣佑演じる星矢ってどんなキャラクター?
新田真剣佑が、ハリウッド映画『Knights of the Zodiac』に主演することが先日発表された。車田正美の人気コミック「聖闘士星矢」の初めての実写化作品で、新田は主人公の星矢を演じる。ここでは“ペガサス星矢”こと星矢が、どのようなキャラクターなのかをあらためてひも解いてみたい。
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1985年12月より「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートし、翌年にはアニメ化されて、またたく間に大ブームを巻き起こした「聖闘士星矢」。日本のみならず、ヨーロッパ、南米、中国でも大人気を博し、原作の連載終了後も数々の続編や派生作品、劇場版アニメ、OVAなどが制作された。2019年にはNetflixオリジナルの3DCGアニメ「聖闘士星矢:Knights of the Zodiac」が制作され、世界配信が行われている。
「聖闘士星矢」は、戦いの女神アテナに仕える聖闘士(セイント)たちが繰り広げる戦いの物語だ。星座を模した聖衣(クロス)と呼ばれる防具をまとった聖闘士たちは、体内に宿るエネルギー・小宇宙(コスモ)を燃焼させながら、それぞれ身につけた必殺技を繰り出して戦っていく。
主人公の星矢は、88人の聖闘士のうち、青銅聖闘士(ブロンズセイント)と称される階級に属する。天馬星座(ペガサス)の聖衣を授けられたことから、天馬星座の星矢(ペガサス星矢)となった。同じ青銅聖闘士には、ドラゴン紫龍、キグナス氷河、アンドロメダ瞬、フェニックス一輝らがいる(彼らが実写版に登場するかは2021年10月現時点で不明)。
原作コミック、それに準じたテレビアニメと、「聖闘士星矢:Knights of the Zodiac」ではストーリーに微妙に差異があるが、星矢が歩んだ道のりを大まかに記すと次のようになる。孤児である星矢は、生き別れとなった姉・星華の消息を探していたが、情報提供と引き換えにグラード財団によってギリシア(Netflix版ではシャモス島)に派遣される。聖闘士になるための修行を積み、聖衣を持ち帰ってグラード財団が主催する「銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)」に参加するためだった。
師匠である白金聖闘士(シルバーセイント)、鷲星座(イーグル)の魔鈴のもと、星矢は壮絶な修行を積んで聖闘士になる(原作とアニメ版では7歳から13歳までの6年間も修行を積んでいた)。このとき、毎秒100発以上の音速の拳を放つ必殺技「ペガサス流星拳」を身につけている。
暗黒聖闘士、白金聖闘士、そして聖闘士の中でも最高位である黄金聖闘士(ゴールドセイント)たちとの激闘を経ていく中で、グラード財団の城戸沙織が女神アテナの化身であることが判明。アテナに仕える聖闘士としての運命に目覚めた星矢は、アテナ暗殺をたくらむ聖域(サンクチュアリ)の最高権力者・教皇を倒すため、仲間たちとともに黄金聖闘士との全面対決に挑む。
星矢は、どんな危機にも決してひるまず、何度倒れてもそのたびに立ち上がり、強大な敵に立ち向かっていく不屈の闘志の持ち主。思慮深さやクールさとは無縁の存在で、いつも先頭を切って敵陣へ突っ込んでいく熱血漢だ。
孤児というバックグラウンドを持つものの、少年らしい明るさとさわやかさ、心の優しさを失うことはない。多少生意気なところはあるものの、屈折した部分もなければ、闇落ちすることもなく、勇敢な戦士へと成長していく。一方、恋愛方面はからっきしで、自分を慕う存在がいてもまったく気がつかない。まさしく王道を歩む少年マンガの主人公的な性格である。
「聖闘士星矢」は数多くのキャラクターが登場し、それぞれのドラマが展開する壮大な物語だが、その軸にあるのはどこまでもまっすぐな星矢のキャラクターだ。アニメ版では「巨人の星」の星飛雄馬役などで知られる声優の古谷徹が星矢を演じていたが、原作者の車田がどこまでも古谷の声に惚れ込んでいたことはよく知られている。古谷自身も星矢役に情熱を注ぎ込み、自著では星矢のことを「究極のヒーロー」と表現している。
13歳という設定の星矢に24歳の新田がキャスティングされている時点で、原作コミックからアレンジされていることが想像されるハリウッド版だが、星矢のヒーロー性は失われていないはずだ。ハリウッドの最新技術とアクション、そして新田がどのような「究極のヒーロー・星矢」を生み出すのか、楽しみに待ちたい。(文・大山くまお)